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企業がビジョンを掲げる目的とその役割とは

Kazuhiko Tanabe

2014/03/09(最終更新日:2014/03/09)


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 “ビジョン”というと大手企業や有名企業の「カッコよくオシャレで理にかなったもの」、「経営者が考えること」と思っていないでしょうか?実は中小企業や商店、そして企業内のイチ組織やチームにとって、そして従業員一人一人にとっても、この“ビジョン”の理解は大切なものです。このビジョンの重要性を理解している企業や社員は、何か判断をするときにブレがなく、結果的に顧客や消費者を裏切らずに商品やサービスを提供することができます。

ビジョンは経営の羅針盤

 世界経済と同様に日本においても変化の激しい時代と呼ばれる昨今において、企業は常に新規事業の立案や商品・価格戦略の変更等に応じていかなければなりません。常に変化、変化と叫ばれるのが当たり前になると、経営者自身も、“自分たちが商品やサービスを通じてどんな世の中にしたかったのか“、つまり創業理念というものを忘れてしまいがちになります。目的が手段化する、という言葉があるように、いつの間にか、手段に拘り、その手段をいかに達成するか、と目的が遷移し本来の目的が抜けてしまうことが時としてあります。

 例えば、価格を安くすることが目的になり、新商品の開発よりも、いかに安く仕入れ安く提供できるかを考え、質を落とし現場の人件費を極端に削減してみたり、こういった例は良くあるのです。そんなときに、「私たちは何がしたかったのか」。これを思い出させてくれるのがビジョンなのです。

 価格ではない価値。他社には存在しない独自商品やサービスの提供。本来考えるべき部分は、価格を安くすることではなく独自性なのです。創業当時は、その独自性だけを意識して、社員一同頑張ってきたのに、いつの間にか他社に真似され、その後はひたすら価格競争に挑み、疲弊しきっている、そんな悪循環になってしまっては本末転倒です。ビジョンは言い換えると、経営の羅針盤。新商品を開発するのか、今の商品を値下げするのか、人件費を削減するのか。こうした難しい判断を迫られたときの行動指針となるのです。

ビジョンは全社員で共有

 ビジョンの重要性は経営陣や幹部だけで理解・共有するものではありません。新入社員含めアルバイトまで全員が理解していることが重要です。企業は1つ1つの組織(歯車)が噛み合って、円滑に動くものであり、その歯車を構成しているのは社員やアルバイトスタッフです。「一人のアルバイトスタッフだから別にビジョンは知らなくて良い」と考えた瞬間から歯車は徐々に不具合を生み、やがてその歯車は噛み合わなくなっていきます。前述の通り、ビジョンは“羅針盤”と言いましたが、人が集まる(組織構成する)中で、行先やゴールの見えない状態というのは、行き場がなくなり、やがて離散します。羅針盤がないのですから、組織やチームは何を大事にどう団結していけば良いのかわからないからです。羅針盤を作ったあとは、必ず全社員で共有し、目指すゴールをひとつにしましょう。

 万一あなたが働いている会社で、「ビジョンがわからない、聞いたことが無い」というのでしたら、一度上司に確認をとっておきましょう。そして自社ホームページ上で社長が語る理念もビジョンそのものなので、改めて確認してみましょう。


 以上、ビジョンの役割と目的、共有化することの重要性について紹介してきました。ビジョンを理解することで、あなたが日々取るべき行動や目指すべき目標が、きっと今まで以上に見えてきます。

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