1. 社員教育としてソーシャルメディアポリシーを制定するときに意識しておきたいこと

社員教育としてソーシャルメディアポリシーを制定するときに意識しておきたいこと


 仕事でPCを使わない人はいない、と言えるほどビジネスにITが浸透した昨今、社内でソーシャルメディアの活用が課題として上がっている企業は多いのではないでしょうか。大企業など一般的にカタいイメージのあった企業が、facebookやtwitterなどを活用して、顧客とのコミュニケーションの活性化や、ブランドロイヤリティを高めることに成功している事例も多く出てきました。

 一方で、問題となるのがソーシャルメディアの利用方法です。現在は一部の担当者に依存していたり、誰かが片手間でやっていたりということが多く、会社として、こういう方針でソーシャルメディアを利用していくということを打ち出すことができている企業は殆ど無いのではないでしょうか。ソーシャルメディアの面白さはインタラクティブなコミュニケーションにあります。だからこそ、小さな問題が大きくなりやすいのも事実です。

 こうしたリスクを回避しながらも、ソーシャルメディアの特徴を存分に活かして、企業活動の一部にするために、ソーシャルメディアポリシーを必要とする企業が増えています。

ネガティブなポリシーでは意味が無い

 ソーシャルメディアポリシーを明文化して持っている企業の多くは社員のソーシャルメディアにおける情報発信の制限を目的としています。つまり、こういうことは発信してはいけない、こういう情報は非公開にしろ、ということです。企業の公式アカウントに関しても同様でしょう。

 しかし、こうしたネガティブなポリシーはソーシャルメディアの良さを押しつぶしてしまう事になります。例えば、会社の製品発表会をソーシャルメディアを通じて発信する際に、プレスリリース並に内容の確認をしてから3日後に発信したのでは、新鮮味も臨場感もありませんし、もっとも重要な顧客にとっての「参加している感」は全く演出できないでしょう。

 発信する人が萎縮したり、発信のハードルが飛躍的に高くなってしまうようなポリシーは意味がありません。そういったリスク回避のみを主眼に置いたソーシャルメディアポリシーを制定するくらいなら、社員に業務に関する内容は一切発信しないよう通達した上で、ソーシャルメディアを活用しないという選択をするほうが、コストも掛からずリスクも最小限に抑えることができます。

 理想としては、その製品発表会に関わった関係者が各々準備の様子や、現場の裏側、開発秘話などを発信することでしょう。顧客の商品への興味を喚起することができますし、もしかしたらソーシャルメディアを通じて商品への質問など、双方向のコミュニケーションを生み出し、一種のお祭りのようなものに出来るかもしれません。

リスクヘッジはしつつも自由度を持たせる

 もちろんこれは理想のお話です。実際に今すぐ自由に発信させたら、不適切な内容が情報として発信されてしまったり、一部の人を不快にするようなものも出てきてしまうかもしれません。このリスクを完全に消すことはできません。

 でも、もしあなたの会社がソーシャルメディアを本当に活用して、他社との差を明確にしたいのであれば、多少のリスクをとる必要がありますし、ソーシャルメディアの力はその価値があるまでに大きく成長しました。

 ソーシャルメディアポリシーを作成するに当たり、もちろん発信する情報の制限は必要です。しかし、それは「こういう審査の上で」「こういう内容のみ投稿するように」という形ではなく、絶対に投稿してはならないことを明記するに留めるべきです。例えば、「他社の関係者や商品に触れないことはしない」「こういう話題には触れない」など、本当に基本的な部分を定めておく必要はあります。

ソーシャルメディアへの本質的な理解を

 ソーシャルメディアポリシーの最も重要な役割になるのは、会社としてどのような目的のためにソーシャルメディアを活用しているのかを明確にすることと、ソーシャルメディア自体の性質を本質的に社員に理解させることです。目的が明確であれば、社員はそれぞれが自分が発信している情報がその目的に沿った内容なのかを判断することができます。

 さらに、普段のリアルなコミュニケーションとソーシャルメディアのコミュニケーションの本質的な違いを理解することで、普段は問題にならなくてもソーシャルメディア上では問題になることや、十分に気を付けるべきことを理解することができます。


 とはいえ、最近従業員によるソーシャルメディアでの炎上事件も話題になったように、ソーシャルメディアへの理解は一般的になっていません。理解させるといっても、そう簡単なことではないでしょう。しかし、どの企業もまだまだソーシャルメディアを使いこなせていないという中で、しっかりとしたソーシャルメディアポリシーを定め、その特徴を活かした情報発信やコミュニケーションをすることができれば、他社に一歩先んじたマーケティングツールを手に入れられることもまた、間違いないのではないでしょうか?

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