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顧客に対して満足の行くサービスを提供するために知っておきたい、顧客価値とその創造の仕方

Tobayashi

2014/02/08(最終更新日:2014/02/08)


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「顧客価値創造」とは

 「顧客価値創造」とは、企業が提供する商品やサービスに対する付加価値を高め、顧客が期待している以上の満足を提供することです。

 つまり、まだ顧客自身が気付いていないのだけれども、提示されることによって初めてその重要性を意識し喜びを感じる、そういうサプライズ的な価値をプレゼンテーションしていくことを意味します。そうした価値をどのように作り上げていったらよいのか、具体的な例も交えて考えていきたいと思います。

顧客価値とは

 顧客が期待以上の満足を感じることができれば、その結果として売上増につながり、企業に利益をもたらすことになります。

 では、顧客はどんなことに価値を感じるのでしょう。顧客ニーズを的確につかむのはビジネスの基本ですが、顧客にとって、さらにその上を行く満足やサプライズ的な満足を作り出すにはいったい何が必要なのでしょうか。顧客側にとってみれば、その価値には大きく分けて「期待」と「満足」があります。

 「期待」とは、「これを手に入れると良いことがあるのでは」、つまり「これは私に価値をもたらしてくれるのでは」という気持ちです。こうした期待感を感じると、消費者はその商品やサービスを購入したいと感じます。一方「満足」とは、「これを手に入れたおかげで良いことがあった」という価値を意味します。そうした価値を感じさせることで顧客は満足を感じ「ここで買ってよかった」「またここで買おう」という気持ちを抱くのです。

そのヒントはささいな日常の中にもある

 例えば、あるケーキを買いに行ったとします。同じケーキを買っても、仏頂面の店員さんから買うのと「毎度ありがとうございます」とにっこりほほ笑む店員と、どちらを選ぶでしょう。普通は笑顔の店員さんのいる方で買いたくなります。これは、ケーキという商品そのものの他に、「気持ちの良い笑顔」あるいは「お客様として大切にされているという満足感」を買うということではないでしょうか。

 別な例を見てみましょう。たまたま立ち寄った化粧品売り場で、住所と名前を書いたら、あるサンプルをくれるとします。その場で名前を書いてサンプルを受け取り、使ってみたら良かったので数日後に同じ売り場に買いに行ってみました。

 その際、店員があなたの名前を覚えていて、「先日サンプルをお持ちいただいた○○様ですね。使い心地はいかがでしたか?」と尋ねられたらどうでしょう。「この人は私を覚えていてくれたのか」と驚き、顧客を大切にしているなと感じるのではないでしょうか。また、そうした気のきく店員のいる店ならば、フォローもしっかりしているのではと思いませんか?

感情を動かすことが価値につながる

 もうひとつの例をあげてみましょう。新車を買うと、ぴかぴかの新車の写真を、記念に撮ってくれるディーラーは多くなりました。しかし納車の日、下取りのためディーラーに乗っていった古い車を一緒に並べて、あなたと共に記念写真に収めてくれたらどう思うでしょうか。

 自分で既に古い車の写真は撮ってあったとしても、“これで愛着のある車ともおさらば…”と思っているときに、この心遣いは心にぐっときます。車は高価な買い物です。人生の中でひんぱんに新車を買い替えられる人はそう多くはないでしょう。そういう機会を、特別な想い出としてプロデュースしてもらえた顧客は、きっとその喜びを誰かに伝えるのではないでしょうか。クチコミというのは、そうした感情の表れとして、広がっていくのだと思います。

 顧客価値創造の一番のキーは、突き詰めてみれば顧客の気持ちになって考えること、その一言に尽きます。お客様は何をしたら喜んでくれるのか。想像力をフルに働かせて、そのヒントをつかむことができれば、きっと顧客の笑顔と、信頼をつかむことができるでしょう。

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