1. 「人生は一度しかないから、やりたいことをやれ!」- 若手スタートアップ経営者が語った「起業」という選択肢

「人生は一度しかないから、やりたいことをやれ!」- 若手スタートアップ経営者が語った「起業」という選択肢


 昨年あたりから「ノマドワーカー」という言葉が誕生したり、「大企業」と「ベンチャー」どちらが良いのかなど、これからの働き方に関心が集まり始めた。


 そういった背景から先日、日本初のシゴトにまつわる都市型カンフェスティバル「TOKYO WORK DESIGN WEEK」と100の「明日から仕事に使える知恵」と100の「つながり」を提供する「SHAKE100」がコラボし、若手スタートアップ企業社長が語る「働き方の未来」というイベントが開催された。


 「起業するとは、どういうことか?」「起業したらどうなるか?」などスタートアップの若手経営者が語った内容をまとめた。


<登壇者>

写真左から

ランサーズ株式会社 秋好陽介氏

株式会社VASILY 金山裕樹氏

株式会社ログバー 山崎 貴之氏

株式会社trippieace 石田言行氏

やりたいと思ったことに素直に向かっていった

 登壇者の中でも一度社会人を経験してから起業した人もいれば、ファーストキャリアが起業だった人もいる。彼らが起業したきっかけは一体何だったのだろうか?


石田氏:

 親の影響もあり、小さい頃から起業家に憧れていた。大学時代に、バングラデシュに行ってみたいとTwitterに書いてみたところ、幾つかリプライが来たので、バングラデシュに行くプランをHISに持っていったらバングラデシュのツアーが実現した。この旅の経験と昔から抱いていた起業への思いが重なり起業した。


山崎氏:

 僕は、これまで様々な経験をしてきているが、そのときそのときで自分がやりたいと思えることに素直に向かっていった結果、起業という道に辿り着いた。


金山氏:

 当時、Yahoo!の中でも一番働いている自信があった。ただ、ある時ふと自分の尻を一番触っているのは机だということに気づき、起業すれば自分で座る椅子や働く場所など全部自分で選べる。どうせ一回の人生なんだから起業した方が良いなと思い、可能性のある事業を幾つか挙げていき、最終的にファッションの事業で起業することになった。


秋好氏:

 ニフティで働いている時に仕事の受託者・発注者という両方の立場を経験し、「『個人と法人のマッチングサービス』ってまだ誰もやってないしいけるんじゃない?」ということに気がついてしまった。気づいた者の責任として起業しなければいけないと思い、起業することになった。

一緒に働く人を選べるのは良い

 実際に起業してみて何か変わったことや良かったことはあったのだろうか?


秋好氏:

 良い所は、自分の思ったように色々なことができるところ。最初の方はオフィス作りやサービス作りなどすごい楽しかった。自分の嫌いな上司に何も言われないので、99%楽しいことしかない。経理や法務などが面倒くさいという経営者も多いけれど、個人的には楽しかったので苦ではなかった。ただ、会社を辞めた翌日は、起業すると孤独になるんだなと思い寂しかった。


金山氏:

 起業して良いなと思ったのは、働く人を選べるということ。自分が嫌いな人と働けるというのはすごく良い。あとは良いなと思ったのは、リスクが管理できること。大企業の方がリスクは少ないと言う人も多くいるけれど、例えば顔も見た事ない誰かがミスをして会社の業績が下がってしまい、自分の給料が下がるというのはすごくリスクだと思う。ただ、起業するとメンバー全員の顔は分かるので、そういった部分のリスク管理が出来るのは良い。


山崎氏:

 会社を作ったのが今年の2月なので、まだどうこう言えることは無いんですけど、ただ2人で起業したのは良かったなと思う。あとは、とにかく楽しい。何にも縛られることなく自分のやりたいことができるから、起業は良い所づくしだなと思う。誰と一緒に働けるかも選べるので、起業したいという考えを持っているならば、迷わずに起業した方が良い。


石田氏:

 起業してから、自分の頭で考えて成功して失敗してを繰り返してきたので、PDCAはとにかく多く回すことが出来たのは良かったことかなと思う。

スキルセットよりも人間性

 スタートアップは少ないリソースの中で日々、成長していかなければならない。そういった中、どのような人材を求めてるのだろうか。


金山氏:

 自分が求めてるのは「自分より優秀な人」と「失敗しても許せる人かどうか」というところ。スタートアップはとにかく失敗だらけで100やって100失敗、1000やって1000失敗するような世界だからこそ、失敗を許せるような人でないとやっていけない。


秋好氏:

 僕は、一緒に温泉行って、ずっと一緒にいれるかどうかはスキルセット以上に見るようにしているし、そこを大事にしている。


山崎氏:

 自分は相性かなと思う。技術などは面接だけでは分からない部分もあるので、大事なのは一緒に旅行行けるかどうかかな。あと自分が細かいことは気にせず、やりたいことに向かっていくタイプなので底に合わせられるかというのも大切。


石田氏:

 今から採用する人は、自分よりも優秀な人を採るようにしている。ただ、自分の場合は、個人的に好きかどうかというよりかは、trippieceのビジョンに共感してくれるかが大事だと思っている。色んな個性が集まって、それが一つになれば良いなと思っているので、自分が好きな人だけを採用しないようにしている。

優秀な人よりも優秀であるために採用を怠らない

top_pic01.jpg
出典:top_pic01.jpg

 優秀な人を採用するということは、よく言われることだがどのようにして優秀な人材を採用しているのだろうか。


秋好氏:

 自分はスキルなどの面で社員に負けている部分もあるが、誰にも負けないと言えるのはビジョンに対するコミット感。そこだけは誰にも負けない自信を持っているので、そのビジョンに対する熱量で口説いているといった感じ。


金山氏:

 自分より優秀だと思う人を採用しているが、優秀な人よりも優秀であるために努力を怠らず、ハングリーさは負けないようにしている。スタートアップでハングリーさがないと途中で折れてしまう。


山崎氏:

 まだ起業したばかりであれなんですけど、優秀な人を採るのはすごく大事だと思う。今の会社に最も必要なのはスピードなので、会社の中で一番優秀だと言えるような人を探している。今あるものを確実にこなしていけるような人だと良い。


石田氏:

 最近は割と優秀な人が集まってきつつある。trippieceに応募する理由で最も多いのは「trippiece」のビジョンに共感したからというもの。今だと、日本以外の人からもたくさん応募がきている。

成長が全てを癒す

 現在サービスが成長してきているが、創業時はどんな苦しいことがあったのだろうか。


秋好氏:

 サービスが上手くいかない時期が2年間続いたのは厳しかった。ただ諦めずに続けることで、何とか乗り切ることができた。最初、サービス作りは外注してたんですけど、開発してたエンジニアが逃げてしまうというハプニングが起きた時は本当に血の気が引いた。そこで、自分のサービスを外部の人に依存するのはやめようと思い、デザイナーに本を渡しプログラミングの勉強をさせ、一緒に開発していった。


 2年間も続けることができたのは、シンプルに市場は絶対にあると思い、その可能性を信じていただけ。


金山氏:

 資金繰りがすごくツラかった。給料払えるか、カードは止められるんじゃないかという怖さは常にあった。心の中のモヤモヤを感じながらずっと仕事をしていた。そのモヤモヤをとるために、ファイナンスすることにした。そこで感じたのは、成長が全てを癒すということ。伸びているという事実をどこで作るかがスタートアップにとっては大事になってくる。


山崎氏:

 起業してから、楽しいことしかない。ただ、これまで無かったものを創り出していくことは大変だなと思う時もあるけれど、それ以上に楽しいという思いの方が強い。


石田氏:

 最初の1年間はサービスも上手く回らず、創業の頃から関わっていたメンバーが辞めたりもしてツラい時期が続いた。ただ、マチュピチュ・ウユニ塩湖のツアーに行ったユーザーの声や写真を見てからは、色々と変わっていくことができた。

ベンチマークしている起業家は「昨日の自分」

 登壇している4名の起業家はベンチマークしている起業家などいるのだろうか。


石田氏:

 尊敬している起業家は2人〜3人くらいいる。ただ、オリジナリティが自分のアイデンティティとなっているので、ベンチマークしている起業家はいない。


山崎氏:

 ベンチマークしている起業家はいなくて、あまり人のことは気にしてないけれどTelepathy Oneの井口さんの言動は気にするようにしている。


金山氏:

 ベンチマークしている起業家は、昨日の自分。しっかりとログをとって、毎日1%でも昨日の自分を上回るようにしている。


秋好氏:

 昔、三木谷さんを尊敬していて真似したりしていたけれど上手くいかず、結局自分らしくいった方が良いなと思っている。ただ、コロプラの馬場さんは恐れ多いんですけど自分と似ているなと思っているので、尊敬しているしベンチマークしている。

起業家以外の選択肢は「あり」だと思っている

 「起業家」という道を選択したこの4名だが、起業家以外の道も選択することはあるのだろうか。


秋好氏:

 起業家以外の選択肢は個人としてはありかなと思う。今やっているサービスは自分が欲しいと思っていたサービスを具現化したから代表という立ち回りになっているけど、他に良いサービスがあれば自分がジョインしていたかもしれない。


 あと自分は完全に自由なタイプなので、サラリーマンは合わない。ただ自由であればフリーランスでも起業家でも構わないかなと思っている。起業するというのは壮大なことのように聞こえるが、本当はすごく地味なこと。とにもかくにも行動することが大事だと思う。


金山氏:

 起業だけでなく、スタートアップに参加するということも一つの選択肢としてあるのだということを知っておいてほしい。スタートアップは、本当に色々任されるし、何でもできるから。成長できる度合いが全然違う。


 また、人よりお金欲しいのであれば大企業に行くべきではないし、もし本当に欲しいのであれば、自分がとにかくやるしかない。最終的に大事なのは「自分がどうありたいか?」という質問から逆算して選択していくということ。なりたい自分を早めに見つけるのが大事で、その選択の一つとしてスタートアップを知ってもらえると嬉しい。


山崎氏:

 起業家である必要は別にないと思っている。働き方は言い換えると生き方だと思っているので、「自分は何がやりたいのか?」をどんどん突き詰めていけば良いと思う。


 まずは自分自身をとにかく見つめるべきだと思う。何かを変えたければ、自分を変えるのではなく環境を変えるべき。


石田氏:

 起業家以外の選択肢は全然あると思っている。自分はtrippieceを成功させたら、冒険家になりたいという思いがある。一生起業家である必要はないし、やりたいことは一つではない。だからこそ、自分に正直であれば良いなと思う。やりたいことがあるなら、とにかくやってみれば良いし、分からないのであれば自分が興味を持つものに片っ端から挑戦してみると良い。


 


 様々な働き方が注目されているが、どの働き方が理想的だというものはない。ここでは自分のやりたいことを追い求め、起業という道を選んだ4名の言葉は一つの参考になったのではないだろうか。周りの目など気にせずに、自分のやりたいことを追い求めていくことも大切なのではないだろうか。

U-NOTEをフォローしておすすめ記事を購読しよう
この記事を報告する