1. マクドナルド、富士通も続々撤退。日本にはなぜ成果主義が根付かなかったのか

マクドナルド、富士通も続々撤退。日本にはなぜ成果主義が根付かなかったのか



 良い結果を残した社員には、その分高い報酬を与える成果主義。2000年ごろには、富士通やホンダなど数々の日本企業で採り入れられましたが、そのほとんどは今では「失敗」の烙印を押されています。しかし、その一方で外資系企業の成果主義には、その自由な社風の一つとして憧れの視線が注がれています。日本企業の成果主義はなぜ「失敗」したのでしょうか?


日本企業に個人プレイは合わない


 成果主義の特徴は、結果を出した社員のみに報酬が支給され、結果を出さなかった社員には何も見返りがないということです。そのため、社員同士が他人と協力的にはならずに、個人プレイで結果を残そうとします。社員があまり会社に帰属意識を持たずに、各々が別個で努力をする欧米企業なら、この手段は社員のモチベーションを高める働きがあります。


 しかし、日本企業の場合はそうではありません。年功序列を採用し、社員が同じ会社に長くとどまる日本企業では、社員同士のつながりが密接です。個人で作業をするのではなく、チーム単位でプロジェクトに取り組むのが日本企業なのです。そんな中で個人プレイが求められる成果主義が採用されても、社員のモチベーションが高まるどころか、むしろチームプレイが阻害されてしまうのです。

トップダウン式の日本企業との不一致


 当たり前のことですが、社員が結果を認められるためには、まず「このプランにはこういう利益性がある」ということを上司に提案して、それに対してGOサインが出て初めてプランを実行に移すことができます。その後、具体的な成果を上司に報告して初めて、その結果が認められるのです。その際に重要なのは、まずプランの利益性を上司に認めさせるということです。そのため、利益性が高くないプランはなかなか提案することができなくなります。つまり、前例のない挑戦的な提案や、利益がいつ出るのかが不確実なプランは打診しづらいのです。


 成果主義の場合は特にこの傾向が強くなり、冒険的なプロジェクトがしづらくなってしまうのです。欧米企業のように、もともと個人単位で動くことが多かったのなら良いのですが、日本企業はそうではありません。挑戦的なプロジェクトには、上からの指導で、チーム単位で取り組んでいた日本企業が、急に部下にその裁量が委ねてしまったら、どうしても保守的な提案ばかりになってしまうでしょう。やはりここでも、日本の企業体質と成果主義は相容れなかったのです。



 成果主義にもちろん良いところはたくさんあります。しかし、それは今までの日本の企業体質とはあまりにかけ離れていたため、良い結果を生まなかったのではないでしょうか。形だけ成果主義を取り入れるのではなく、事前にそれが受け入れられる土壌を作っておかなかったことが、日本に成果主義が根付かなかった理由なのかもしれません。

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