三菱商事初の社内ベンチャーとして生まれた、食べるスープをコンセプトにしたスープ専門店」「Soup Stock Tokyo」。
スープストックトーキョーは創業わずか10年で、売上高42億円に達した。2017年の時点では54店舗を展開するという成長を続けている。
スープストックトーキョーがここまでの成長を遂げた裏には、どんな戦略があったのだろうか?
スープストックトーキョーの戦略①ペルソナ「秋野つゆ」を設定
スープストックトーキョーを成功に導いたペルソナ「秋野つゆ」
どんなサービスであれ、開始時にはペルソナを設定することが多い。
スープストックトーキョーは、そんなペルソナをとことん細かく設定した。それが「秋野つゆ」という人物である。
このペルソナはどんな人物かというと、「秋野つゆ」は37歳の女性で、都心で働くキャリアウーマンだ。
特徴は、独身か共働きで経済的に余裕があり、シンプルでセンスのいいものを追求するタイプでこだわりがある。
また、「秋野つゆ」は社交的だが自分の時間を大切にし、人生を楽しみたいという人物設定がされている。
このようにペルソナを細かく設定しておくと、自分たちはどう動くべきかが明確になるため、さまざまな施策を積極的に打ち出していくことができる。
スープストックトーキョーの戦略②価格は高めの設定「610円」
スープストックトーキョーは、自分たちが設定したペルソナに沿ってマーケティング戦略を推し進めてきた。
「経済的に余裕があり、シンプルでセンスのいいものを追求するタイプでこだわりがある」という人物設定に従い、価格は高めの設定だ。
基本サイズのレギュラーカップが610円では「スープなのに高すぎる…」と思われそうな価格である。
しかし「20代の女性」と幅広い層を狙っているのではなく、あくまでペルソナで設定した顧客層向けなので値段を下げるということはしていない。
(現在のレギュラーカップの価格は、630円に変更されている。)
スープストックトーキョーの戦略③立地はオフィス街、駅チカ
スープストックトーキョーはペルソナに合わせて出店場所を選ぶ
都心で働くキャリアウーマンをターゲットにしているため、出店場所もオフィス街、駅チカの店舗とキャリアウーマンが多くいそうな場所や、頻繁に訪れそうな場所にのみ出店している。
スープストックトーキョーの戦略④ペルソナはブランディングにも効果的
スープストックトーキョーは、自分たちが設定したペルソナにしたがってマーケティング活動を行うことで自社のブランディングにも繋げている。
出店場所に関していえば、人が集まる場所ならどこにでも出店すれば売上は上がるかもしれない。
しかし、自分たちが設定した顧客層の人達が少ないなら出店しないという徹底した姿勢が、スープストックトーキョーのブランドを形成している。
仮にある店舗で若者といったターゲット以外の層がメインの顧客になってしまっては、今まで築き上げてきたブランドが変わってしまう可能性がある。
スープストックトーキョーは、ブランドの維持のためにも自分たちが設定したペルソナに沿ってマーケティングを行っているのである。
スープストックトーキョーが行ってきたように、ペルソナを細かく設定することで、どのような施策を実行するべきか明確になるだろう。
新サービスや新規店舗を出店する際は、スープストックトーキョーを手本にペルソナを細かく設定するところから始めてみてはいかがだろうか。
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