1. 「何よりも、まずはプロダクトに注力しろ!」CNET Japan岩本有平氏が語る、スタートアップとメディアの付き合い方

「何よりも、まずはプロダクトに注力しろ!」CNET Japan岩本有平氏が語る、スタートアップとメディアの付き合い方


 スタートアップが自社・サービスへの認知度を向上させていくためには、メディアを効果的に活用していくべきだろう。しかし、なかなかメディアに取り上げてもらえないと頭を悩ませるスタートアップも多いのが現状だ。


 今回、スタートアップへのシード投資を行うMOVIDA JAPAN主催のMOVIDA SCHOOLにて、CNET Japan編集記者の岩本有平氏が語った「スタートアップとメディアの付き合い方」についてまとめた。

発表の裏側にある事実に「半歩」踏み込む

 今では、プレスリリースだけならメディアを見なくても事実確認をすることはできる。だからこそ、プレスリリースを読んだだけでは分からないことを、取材し、発表の裏側にある事実を「半歩」踏み込む意識を持って記事を書いている。


 ただ、リソースも限られているのでプレスリリースを書き起こす場合もあって、割合でいうとプレスリリースが「3」で、取材が「1」くらいとなっている。このようにして、起業家の思いも含めて伝えたいという思いがあるからこそ取材を通して記事を書くようにしている。

メディアによって求めているネタは違う

 日刊、週刊、月刊、ビジネス誌、業界誌など、それぞれで求めている要素はまったく異なる。スタートアップは、まずそこを認識しなければいけない。週刊・月刊は特集記事がメインになっているため、資金調達系で速報性の高いニュースにはなかなか注力してくれないが、日刊はストレートニュースをメインにしているため、資金調達系の話は食いつきやすい。


 ただ、知名度があまり高くないスタートアップが、窓口にプレスリリースだけを送っただけで取り上げてもらうことは難しいため、媒体の特性を知った上で、自社のサービスの何がすごいのかを伝えるようにするべきだろう。

メディアとのやり取りで意識すべき5つのこと

1.「媒体ごと」ではなく「記者ごと」に記事を見てみる

  自社の製品に対して、「どこのメディアの、何という記者が興味を持つか」という点を意識する。週刊誌などは特集の記事が多く、即日の記事化は難しいかもしれないが、とりあえず接点を持っておくべきである。また、「どんな人が読んでいるのか」というように読者層も意識しておくと良いかもしれない。

2. 事前のコミュニケーションを心がける

  ウェブであっても、メディアのリソースには限りがある。記事の執筆にも時間はかかるので、少なくともリリースの2日〜3日前には連絡しておくことが望ましい。また、実際にプロトタイプを使ってもらえるといったことをやってみるのもコミュニケーションをとる一つの方法となる。

3. コンタクトは知人の紹介がベスト

 飛び込みのメールやソーシャルメディアなどで取材の連絡をもらうことが増えたが、ほとんどは知り合いや一度取材した方からの紹介を優先するケースなので、知人から紹介してもらって記者と出会うのが良い。


 ただ、どうしても接点がないのであれば、ソーシャルメディアを使ってみても良いかもしれない。Webメディアの人だと、最近はFacebookでやりとりしている人も多かったりする。

4.スケジュールはなるだけ自分たちでコントロールする

 記事の掲載タイミングなどをコントロールしたがるメディアもあるので、しっかり記者の人達とコミュニケーションをとり、自分たちで段取りが出来るようにしておいた方が良い。

5. メディアに載ることをゴールにしない

 トラフィックを集めても、継続的にアクセスしてもらえるようなサービスでないと意味がない。まずは、優れたサービスを作ることに注力して、メディア側からオファーが来るくらいのサービスにするべきだろう。メディアは結局のところ、打ち上げ台でしかないので、その後しっかり飛び続けられるかどうかは、みなさんのサービス次第。メディアに掲載されただけで満足せず、サービスを磨き続けられるかどうかが大切になる。

刺さるプレスリリースの書き方4箇条

1. 5W1H、データを明確に

 プレスリリースは、市場や自社の優位性を客観的に数字を使って説明するようにした方が良い。もし、文字だけで分かりにくいのであれば、グラフや写真を入れるべきだろう。また「世界初」「画期的システム」という主観的すぎる言葉を入れると、何を言いたいのかが分からなくなるので、主観的な言葉は入れず、客観的な情報を入れることを意識しておいた方が良い。 


 あと当たり前かもしれないが、URL、社名、役職、問い合わせ先などを入れるのを忘れないようにする。

2. コンパクトにまとめる

 基本的には、プリントしてA41枚~2枚程度に収まるようなプレスリリースが魅力的。また、Wordでプレスリリースを送る場合、修正履歴を残さないように注意した方が良い。履歴を残したまま送付するケースが意外と多いので、コピペできるPDFファイルの方が良いかもしれない。

3. プレスキットを用意する

 プレスリリース、画像、などをまとめて用意しておき、ファイルサイズ大きいのであればファイル転送サービスやDropboxなどを使うこと。デモサイトやデモアカウントがあれば、それも用意しておくべき。

4, メールのタイトルやタイミングにも配慮を

 1日3桁のプレスリリースが配信されるということも少なくないので、「プレスリリースを送ります」といったタイトルはやめた方がいい。まず社名・サービス名は、はっきりと分かるようにする。土日や夜に送っても記事化されないので、掲載タイミングについても配慮が必要。


 あと、メールを送るだけでなく送った旨(事前に送る旨を)電話などの手段で伝えておくほうが良い。

何よりもプロダクトに注力しろ!

 プレスリリースを送り、メディアに取り上げられればサービスの成長の一翼を担うかもしれないが、全てではない。サービスをリリースしたのであれば、「どうしたらメディアに取り上げられるか?」という考えを持つのではなく、まずはプロダクトに注力するべき。





 メディアに取り上げてもらうとサービスが成長していくと思われがち。確かにサービスは成長するかもしれないが、それはあくまで副次的産物であり、一時的な成長でしかないのだ。


 それよりもまずはプロダクトに注力をし、必要とあらばメディアの人にお願いをして取り上げてもらうという姿勢が、スタートアップとメディアの理想の付き合い方なのではないだろうか。

U-NOTEをフォローしておすすめ記事を購読しよう
この記事を報告する