1. パフォーマンスをあげるために自分をだませ!「根拠のない自信」があなたを変える第一歩

パフォーマンスをあげるために自分をだませ!「根拠のない自信」があなたを変える第一歩

 「だます」という言葉を聞くと嫌悪感を覚える人もいるかもしれない。しかし「だます」という行為は、うまく使うことであなたの仕事効率をアップさせることにつながる。それが「自己欺瞞(じこぎまん)」というものだ。

自己欺瞞が起こるわけ

 「自己欺瞞」を辞書で調べると次のように書いてある。

 “自分で自分の心をあざむくこと。自分の良心や本心に反しているのを知りながら、それを自分に対して無理に正当化すること。”

 <出典:デジタル大辞泉

 このように、自己欺瞞という言葉は通常いい意味でとられることは少ない。インターネットで検索してみても、自己欺瞞に陥らないための方法がたくさん出てくるだろう。

 そもそも自己欺瞞、自分をだますというのはどのような心理なのか。人間にはもともと嘘をつく能力、それも他人だけでなく自分すらも欺く能力を持っている。自己欺瞞によって、人間は自分自身が作った嘘を信じることができる。もしかしたら経験がある人もいるかもしれない。例えば、自分は成功したプロジェクトできちんと貢献できなかった。しかしそのことを知らない友人に「あのプロジェクトが成功した一端を担った」と触れ回ったとしよう。もちろんそのことは他人をだましていることになるわけだが、同時に自分のこともだましているのだ。

 人間が自分のついた嘘を全て信じるということはもちろんない。しかし上記のような小さな嘘を何度も話しているうちに、まるでそのことが本当のことのように思えてしまい、自分がきちんと貢献できなかったという事実を忘れてしまう。

自己欺瞞の有用性

 自己欺瞞は100%害のあるものではない。『ずる 嘘とごまかしの行動経済学』の中で、著者のダン・アリエリーは次のように書いている。

 “自己欺瞞は、自信過剰や楽観主義に近いもので、この種のいろいろなバイアスの例に漏れず、よい面もあれば悪い面もある。よい面としては、根拠のない自身のおかげで、ストレスにうまく対処できるようになり、全体的な健康感が高まる、困難な仕事や退屈な仕事にとりくむ根気が出てくる、まったく新しいことを試す意欲がわいてくる、といったことがあげられる。”

 <出典:ダン・アリエリー著、櫻井祐子訳『ずる 嘘とごまかしの行動経済学』

 自己欺瞞の能力を最大限に発揮した時、人間は「自分をだましている」という意識がなくなる。自分の作った話が自分にとっての事実であるからだ。だからこそ、人間は根拠のない自信を持つことができるのだ。

 自信を持つことは、多くの場合自分にプラスに働く。ダンも言うように、自信を持つことで次の行動に移りやすくなる。それは新しいチャンスをつかむきっかけになるかもしれない。それが積み重なって、自分をだましていた「嘘の自分」に本当になる可能性も出てくる。

大切なのはバランス

 とはいえ、自己欺瞞も度を超えるとデメリットが生まれる。

 “悪い面としては、人生をあまりにも楽観視して甘い考えで行動していると、万事がうまくいくと誤って思いこみ、よりよい決定を積極的に下そうとしなくなるかもしれない。また自己欺瞞のせいで、著名大学を卒業したなどと偽って、自分の人生を「美化」していると、いずれ真実が明るみに出た時に大変なことになる。”

  <出典:ダン・アリエリー著、櫻井祐子訳『ずる 嘘とごまかしの行動経済学』

 自分の嘘を信じきっているときはいいが、それが嘘だったと何かのきっかけで気づいてしまうと、そのことが急激な自信喪失につながってしまうこともある。つまりバランスが大切になってくる。

 自己欺瞞は多少なりとも自分の幸福度をあげてくれる。その幸福度と、現実的なイメージをちょうど良いバランスで持っていることが大切だ。

 自己欺瞞の範囲として目安となるのが、「自分や人を守るため」なのか「自分を持ち上げ人をおとしめるため」なのかということだ。過度に自分をだまそうとするのではなく、あくまで自分に自信をつけるためだということを忘れてはいけない。

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