1. 「一人で何でもやるとスケールしない」- 事業加速期。会社を大きくするとは。【1日で学ぶ経営者への道】

「一人で何でもやるとスケールしない」- 事業加速期。会社を大きくするとは。【1日で学ぶ経営者への道】

 クラウドサービスの普及やシード投資家が増えたこともあり、起業しようという志のある若者が最近増えてきたように思う。しかし、一歩踏み出せていない人も多くいるだろう。実際に会社を設立するとどうなるのだろうか。  

 先日、“創業期から事業成長期を経てM&Aや上場”といった経営ストーリーを、全6セッションで学ぶことのできる「Incubate Fund Days 2013 Conference Day」が開催された。その全ての内容を6回に分けてお届けする。第2回目となる今回は、資金調達を終え、これから事業を加速させていく段階の起業家4名から語られた、会社を大きくする方法についてまとめた。

<登壇者>
写真右から
株式会社Origami   康井義貴氏
ビヨンド株式会社 一谷幸一氏
株式会社MUGENUP 一岡亮大氏
株式会社スクー 森健志郎氏

第1回目の記事は、こちらからご覧になれます!

「起業前にサービス作りを経験しろ!」- いざ独立。自分の会社を作ると何が起きるのか。【1日で学ぶ経営者への道】

今は、チームビルディングと人の採用に時間を割いている

 組織のメンバーが20人〜30人ほどになると、事業以外の面でもやるべき事が増えてくる。今回登壇した4名の起業家は今、どんなことに時間を費やしているのだろうか。

康井氏:
 僕は経営者には3つ大きな仕事があると思っています。1つ目が人を引っ張ってきたり、人を集めてくることです。2つ目が会社がしっかり回るようにお金を引っ張ってくること。3つ目が大きなアライアンスをとってくること。

 自分はずっと投資事業をやっていまして、昨年までシリコンバレーにあるベンチャーキャピタルで投資家として仕事をしていたので、色んなポートフォリオに投資をしてきました。当然、スタートアップなので市場環境が変わった、サービスそのものが変わりましたなど色々なことが起こるなかで、唯一変わらないものが創業期のチームなんですよ。いかに強固なチームを作るかを常に最優先課題にして仕事をしています。

一谷氏:
 僕自身が今やっていることは大きく分けて2つあります。1つ目が新規事業のプロデューサーみたいなもので、その仕事に6割〜7割の時間を割くようにしています。2つ目はチームビルディングです。特に今、ミドルマネージメントの育成というところがこれからのフェーズになってくると大事かなと思っているので、そこの時間は割くといったような感じです。

一岡氏:
 ちょうど一ヶ月前くらいに弊社はシリーズBのファイナンスを終えたので、今はとにかく人を採ってくるというところです。日中はほとんど面接みたいな感じになっています。あと今やっていることでいうと、新規のクライアントとの取引や新しい取り組みに力を入れているといった感じです。

森氏:
 僕も一岡さんと同じような時間の使い方をしていて、僕達も7月の頭に1.5億のファイナンスをしめたところなので、とにかく人を増やしにいっています。日中はとにかく面接をしたり、媒体仕込んだり、会って色々擦り合わせをしたりと人を採用するところに時間を使うようにしています。

自分の思いが形になり、世に広まる楽しさが起業家の醍醐味

 今回登壇した4名の起業家は資金調達も完了し、現在サービスも順調に成長している。では、起業をして何が良かったのだろうか。それぞれに語ってもらった。

一岡氏:
 イラストに特化したクラウドソーシングの仕組みを今までずっと作ってきていたので、やっとそれが1年半くらいして出来上がってきたかなと思います。そこの事業自体はまわっていて、評価も頂いてファイナンスも頂いて、「じゃあ次何やるの ?」というゼロイチをまた作れるような状況が生まれてきていて、最近そこをやれているのは楽しいなと思います。僕はどちらかというとゼロイチを作る方に情熱を燃やすタイプで、オペレーションがものすごく苦手なんですよ。なので、そういった意味ではまたここのフェーズで仕事できるのが楽しいなという状況です。

一谷氏:
 僕がすごく良いな、嬉しいなと思う瞬間というのは、組織文化みたいなものが社内にしっかり出来上がっているなと実感できた時ですね。一例を挙げると、社員が「こういうのビヨンドっぽいよね」みたいな言葉が出てきたときです。こういう言葉が共通化されたりしていくと楽しいなと思いますね。

森氏:
 経営者として楽しいなと思ったり、嬉しいなと思う瞬間は、メンバーが入ってきて「スクー」っていうサービスを頑張りたいという思いを持っている時です。この間、インターンとして常駐で来てくれる女の子が目標を達成できなかった時に、泣いて悔しがっている姿を見て何かこの子も本気でスクーのこと考えてくれているのだなというのを感じました。最初、僕一人で半年間会社をやっていたので、そういうメンバーが増えてきたということは純粋に嬉しいですね。

康井氏:
 僕はまだこの4月にローンチをしたばかりなので、まだサービスが始まって4ヶ月くらい経ったところです。これまでは構想があって、そこから段々チームメンバーを集めて、今はやっと形になって世に出すことができました。ただ、ほとんどオフィスかビジネスミーティングをしているので、なかなか消費者の声というのが聞こえてこなかったんですね。

 この間ちょうど「Fashion's night out」というイベントがありまして、そこの公式アプリとして採用いただいて一緒にイベントをやったんですね。その時に初めて自分も表参道の道に立って「Origamiです」とステッカーを配っていたんですけど、その時に初めて「Origami使ってます」「Origami知ってます、頑張ってください」という声をかけていただいたというのが嬉しかったですね。

社員の目線を合わせるのが大変

 起業して良いこともあれば、もちろん大変なことも日々起こることだろう。これから組織を大きくしていこうと画策するなかで、どのようなところが大変なのだろうか。

一谷氏:
 一番辛いと思う時は、やっぱり社員が退職する時ですね。社員の退職というのは、会社への最大のクレームだなと思っています。なぜ僕がそれを嫌かと思うと、合理的に経営を考えれば人が循環して良い人が入り、パフォーマンスの低い人が出ていくのが良いことかなと思っているんですけど、それを分かっていながらも対応できなかった自分の器の小ささを感じるんですよね。そこはやっぱり辛いなと思う時です。

森氏:
 組織が大きくなってきたことによる問題のつらさは、僕はまだまだ今組織を大きくしていこうとしているフェーズなので、このお三方に聞いた方が良いかなと思います。会社はもうすぐ創業2年で、やってて圧倒的につらいのは資金繰りだということを明確に思っています。最初はすごくお金がなくて、色んなものを切り詰めてほとんど給料も無い状態だったので、皆で飴食べながら開発したりしていました。

 ドラマ「半沢直樹」とかでも工場の人が資金止められて200万円で死んじゃったりするわけじゃないですか。本当にそれくらい追い詰められるんですよね。お金がないとメンバーに対しても申し訳ないと思ったりとか、クライアントへの支払いとか資金繰りのプレッシャーは半端ないです。

一岡氏:
  人数が増えてきているなかで、社員のベクトルや目線の高さをどこまで自分が合わせてあげられるのかというのが、辛いというわけじゃないですけど、難しいなと思いますね。わがままをどこまで突き通すかっていうのは悩んだりするんですよ。外には「俺はこうする」って言えたりするんですけど、いざそれをチームメンバーと一緒にやる時に「それは出来ないよ」とか「出来るようにしてもらわなければ困る」というディスカッションをして、それはお互い心の強さみたいなもので「なんかこの人弱いな」みたいなものが見えちゃうと悩みますね。

困難は、ゴールをイメージして乗り越えていく

一岡氏:
 困難への対処法なんですけど、僕が結構妄想するんですよ。ゴールイメージしかないみたいな感じで、「俺はこうなってたい」というところを突き詰めて、だったら大丈夫というよく分からないメンタルの持ち方をしていますね(笑)

森氏:
 僕が創業してからずっとやっていて、これからもやっていこうと思ってるんですけど、圧倒的にビジョンと夢を語る以外は全部やらない。人とお金をお預かりする、集めたりするという時も同じで、採用する側でも投資家さんに語る時でも細かいKPIは良いんですけど、このサービスでどういう世界作って、そうすると市場がこれくらい大きくなるじゃないですかというところを永遠にひたすら語る。それだけでお金と人をお預かりして、メンバーのモチベーションの動機付けもしてます。全てをそれの一点だけに集中してやっていくことを大事にしています。

一岡氏:
 僕も「こういう風になったら良いな」から「こういうことしたい」に落ちて、結構アクションとかするタイプなんですけど、「こういうことしたい」の欲望がものすごく強いです。ひどいのが、こういうことしたいんだけど難しいオペレーションは俺はやりたくないっていう時があるんですよ。なので、それをやってくれる、共感してくれる人で一緒にそういう世界を作ってくれて、細かい「もっとこうした方がいい」というのを言ってくれる人を集めてくるのは、ものすごく得意な気がしますね。

一谷氏:
 うちは色んなサービスをやっていて、一サービスにビジョンを込めてという形ではなく、ポートフォリオを緩く組んでいくという会社の成長のさせ方をしてきました。そこで弱くなってくるのは、ビジョンだとか会社がどういう方向に向かっていくのかという所が分かりづらくなってくるんですよね。そこに対して採っている策というのは、「こういうことをしてみたい」という先の話をすることですね。

康井氏:
 僕もお三方と全く同じで、いかに遠くのビジョンを見続けられるかだと思います。チームメンバーが3歩先を見ているなら、自分は常に5歩から10歩先を見れるような視点を持っておくことなのかなと思います。例えば、僕は今コマースのサービスをやっているんですけど、短期的に売上を立てたいと思い今月の売上をとりにいくのであれば、採るべき手段は幾つかあります。ただ、長期的に目指している世界が違うのであれば、短期の売上ではなくてより遠の絵を見続けて、それをオペレーションに落とし込んでいくというのが一番重要なのかなと思いますね。

一人で何でもやっちゃう系だと事業がスケールしていかない

 大学時代に一度起業を経験している一岡氏。その経験から事業をスケールさせていく上で大切なことを語ってもらった。

一岡氏:
 一人で出来ることには限界があるというか、一人で頑張っちゃう系だと良くないなって思った時期があります。大学時代に1度起業してて、今回は2度目の起業なんですけど、大学時代の時に上手くスケールできなかった理由が全部自分でやろうとしていたからなんですよ。このアイデアは俺しか実現できないから、 コードも書いて営業もやる、そしてマーケティングもやるんだと思い、やってみた結果全然スケールしなかったんですよ。

 だから今回は、その失敗を踏まえて最初からとにかく人を探そうと思い、探すスピードを早くしようと動いて自分で逆に何もしない、とにかく人を探し求めるということをやった結果、比較的スムーズに立ち上がって、スケールするスピードも早くなった。だからこそ、今のポジションを築けたのだと思います。

事業コンセプトは変わっていくが、根本的な思いは変わらない

 最近はピボットという言葉が頻繁に使われるようになったりと、起業時の考えから方向性をずらして会社を成長させていく企業も増えてきている。今回登壇した4名の起業家は、創業時の事業コンセプトから変わっているのだろうか。

一岡氏:
 この会社でやっていた最初のコンセプトと今やっていることは全然違うんですよ。コンセプトは実はインキュベイトファンドの本間さんと 一緒にディズカッションして作ってもらったというのはあるんですけど、「こういうことがしたい」と事業ベースで最初に集まったメンバーではなく、それによって「こういう世の中になるよね 」というところに共感してもらったメンバーが残るなと思いますね。事業で「これ儲かるからやろうぜ」だと、儲かんないと分かった瞬間に絶対離れるんですよね。(笑)

 良かったなと思うのは、「こういう仕組みで、こうなったらすごい面白いですよね」って言ってくれた人が周りに多かったことです。苦しい時期もメンバーが辞めず、一緒に一丸となって頑張ってくれて、差し掛かったチャンスに一気にスケールすることができたというところなのかなと思います。

森氏:
 弊社の場合は一サービスでずっとやっていて、会社名も「株式会社スクー(schoo)」で「school」の「l」をとって、全ての社会人からインターネット学習によって学びの終わりをなくしますというコンセプトで全部作っているんですけど、形は変わってきているんですよ。例えば最初の機能のところでいうと、β版の時は生放送しか提供していなくて録画は絶対にやらないとずっと決めてたんですけど、周りのメンバーは録画をやるべきだという考えを持っていた。

 結局、今は録画の機能がついてたりしていて細かいところでグリッドというかサービスの形は変わっているものの、作りたい世界というのは変わっていなくて、ただ表現であったりとかコミュニケーションの仕方みたいなものは少しずつブラッシュアップされています。

康井氏:
 僕の場合は、実は16歳の時に初めてコマースのビジネスを始めて、それからずっと金融、コマース、ペイメントの周りに関心があったんですね。前職もずっと投資業をやっていて、そもそも投資業を始めたのがアントレプレナーシップというかベンチャーがゼロからイチに育っていくのが楽しくてやっていたので、割とビジネスドメインというのはブレずに、その辺の周りのところだけ見てきたなという実感はありますね。

スタートアップの採用は「当たり前」を貫き通す

一岡氏:
 人を採るというところは重要なテーマだと思うんですけど、前のセッションでもiettyの小川さんが外注してしまった結果、失敗したみたいな話があったと思うんですけど、人を採るのって当たり前をどこまで追求できるかどうかだと思っていて、例えば良い会社って良いCEOがいて、良いCTOがいて、良いCOOがいてみたいな感じじゃないですか。これにどれだけ自分が近づけるのかっていう単純な話だなと思っているんですけど、実際にやっている人は少ないと思うんですよね。そこを愚直にとりにいくことが 大事だなと思います。

自分の想像通りに成長している

 起業する前は「何年後にこうなっていたい」という理想を持つ人も多いだろう。果たして自分のイメージしたまま成長できているのだろうか。ここではビヨンドの一谷氏、MUGENUPの一岡氏がそれぞれ語った。

一谷氏:
 最初の頃から「こんな感じになってるんだろうな」というイメージのまま進んでいて、もちろん実感は「もうちょっと早くいきたかったな」と思いますけど、これくらいの規模だったら、こういうことをしていて、こういう人達がいてというのは想像通りという感じですね。

一岡氏:
 いや、お恥ずかしながら皆さんとは違って、うちピボットカンパニーでめちゃピボットしまくってるんで、そんなに想像通りでもないんですよ。ただ、最初に思ってたモチベーションや「ここを目指したいな」というのは森君も同じだと思うんですけど、86年生まれは分かりやすいベンチマークが一人いるわけですよ。学生起業時代にも名前を聞いていたりしていたので、同い年で上場企業の社長がいてという事実があり、焦って起業した思いはあります。

 焦って起業して、やる内容については当時はものすごくふわふわしていたんですけど、そこから今の事業に変わってやっていく中で理念みたいなものが生まれて、そこからは変わっていきましたね。

投資家の一言が背中を押してくれる

 この4名の起業家に共通している点は、最近資金調達を終えたということだ。実際に資金調達をし、投資家を入れるとどうなるのだろうか。投資家を入れて良いところ、悪いところを語ってもらった。

康井氏:
 僕がなんでこの会社を始めたかというところに繋がってくるんですけど、もともとグローバルなファンドで投資をしていて、日本と中国と米国に投資をしていたんですね。そうすると伸びているマーケットに投資をする必要があるので、中国やシリコンバレーやニューヨークの投資が多く、なかなか日本に投資ができなくてフラストレーションを抱えていました。投資家の仕事は100社会って99社断る仕事なので、だんだん評論家っぽくなってきて「日本ダメだよね」みたいな風潮に社内もなってきてたんですよ。

 僕自身は日本はスゴく魅力的なマーケットだと思っているのに、なかなか日本からグローバルに飛び立つベンチャーが出てこないのがすごく悔しくて、それを変えたいなとは思っていました。経営に答えはなくて、それこそ自分のお金で全部やってオーナー企業でやっていっても良いとは思うんですけど、僕は何を目指すかが重要だと思っていて、日本からFacebookやGoogleなどの大きい会社を作りたいという思いがあったので、投資を受ける選択肢しか頭になかったですね。

森氏:
 なぜ投資を受けると決めたかというと、僕は徹底的に作りたいビジョンしか語っていなくて、「そのビジョンめっちゃ面白いな」 と共感してそこから一緒にアイデアを構築していって、KPIのところまで考えてくれるかどうかを様々な方とお話した結果、インキュベイトファンドの和田さんと佐俣アンリさんと伊藤忠テクノロジーベンチャーズの河野さんの3人の投資家の方に加わって頂きました。

 良かったことは、同じビジョンを共有できるチームなので弊社のメンバーともよくご飯に行ってくれて細かいフォローをしてくれたり、良いメンバーとして加わってくれたのは良かったなと思います。

一岡氏:
 自分はシンプルに「この人と仕事したい!」という思いだけですね(笑) まぁ森君と似ていて、「こういうことをやりたいです」と言った時に「面白いね、でもこうすればもっと良いんじゃない」というプラスアルファを下さるんですよね。そこが投資家というかチームメンバーなんですけど、投資家を入れて良かったなと思うところです。悪かったことは、下手に投資家に頼り過ぎてしまう癖がつくとヤバいと思っていて、投資家がクレバーで多様な知識を持っているので頼り過ぎちゃう瞬間も出てくるのかなと思ったりもします。

 でもそこは自分が社長だし、この会社をどうスケールさせていくかは自分でしか出来ないという思いに立ち返って、それを突き進むワガママさを説明する時にバチバチやり合えるように自分をトレーニングしておくべきなんですけど、投資家に頼ってトレーニングが怠りがちになっちゃいそうで怖いというのは悪いところですね。

一谷氏:
 僕が入れた理由は、完全にスピードですね。ビジネスをしていく上で一番チャンスが生まれる時は外部環境の変化だと思っていて、僕はスマートフォンの変化の時にその波に乗って事業を拡大していきました。スマートフォンはとにかくスピードが早かったので、たくさんのアプリを出して面をとりにいくという戦略をお金を使ってコストを上げて、売上・KPIを出していくという施策をとっていくために投資家からの資金を入れました。

 良いところでいうと、その戦略がちょっと頓挫した時に投資家の人たちが「一谷さんが決めなさいよ」と後押しをしてくれたことですね。色々なアドバイスをくれるんですけど、「最終的に決めるのはあなたですと、あなたが決めたことに付いていくから好きにやりなさい」という一言が貰えるだけで一緒にやってて良かったなと思いますし、判断は何が良いか悪いかは結局やってみなければ分からないので、判断するスピードをつかせてもらえるところは良いところかなと思ってます。

起業するまでの準備期間はムダ!

 現在は順調に成長を続けている4社だが、過去を振り返って「あの時、ああすれば良かった」というような思いはあるのだろうか。

一谷氏:
 会社を作ったきっかけは本当にちょっとフワッとしていて、「スゴい会社を作りたい」「自分がスゴい人になりたい」という夢から始まったというところがあって、世の中にどういうものを伝えていくのかという会社の存在意義を 明確に持たずに始めてしまった。最初は、受託をやって良いアイデアが思いついてメディアやってそれが跳ねてっていう経緯からも表れているんですけど、それが頓挫した時に最終的に帰ってくるところが存在意義なんですよ。そこをとにかく最初に定めて踏み切れば、失敗したとしても「それがダメだった」というような自分への言い訳にもなりますし、それをやっておけば良かったなと思います。

森氏:
「たられば」の話は考えず、未来のことしか考えていないタイプの人達だと思うんですよね。僕は起業のプランを朝起きた時に思いついて、その日にリクルートに退職届けを出して、それはすごく良かったなと思いますね。僕は「起業しようと思ってます」という準備期間ほど無駄なものはないと思っていて、起業しようと考えている人がいるなら、今すぐ会社の上司に電話して辞めた方が成功確率は上がるんじゃないかと思っています。

 これは冗談じゃなくて本当で、自分は全く貯金も無かったですし、資本金30万で一人でコードも書かないでインターネットにWebの学校を作りますということしか決めていなくて始めました。そして創業から2年経って、何とか色々な方の力を借りながらここまで来ることができてます。でもそれは自分が迷わずに突き進んだ結果だなとも思っているので、とにかく迷っている暇があったらやるということに尽きるのではないかなと思います。

康井氏:
 後悔していることは全然ないんですけど、一個すごい重要だなと思うことがあって、それは「とにかく好きな人と好きなことをやる」ということです。僕がインキュベイトファンドの本間さんに最初出会ったのは、前職でポケラボという会社にお互い投資をしていた時です。一緒にしょっちゅうシリコンバレーに行ったりしていたということもあって、真っ先に本間さんとやりたいと思いました。結果すごく話があって同じ目線で話しができて、事業ドメインに関してもとにかく自分が好きなことをやるのがベストなのかなと思います。




 組織が10人〜20人になったりすると、組織として課題が積み上がってくる。それらの課題に向き合い、乗り越えていった起業家の言葉は勉強になったのではないだろうか。資金調達を完了させ、事業を加速させて段階にあるということで、これからの動きにも注目していきたい。

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