1. 事務作業効率化のカギは「5S」にあり!美しい企業風土・企業文化を作るには5Sを実践すること

事務作業効率化のカギは「5S」にあり!美しい企業風土・企業文化を作るには5Sを実践すること

「5S」は経営力を測る指標

 5S(ごエス、ごーエス)とは、製造業・サービス業などの職場環境の維持改善で用いられるスローガンであり、各職場において徹底されるべき事項を5つにまとめたもの。今回テーマとなる「5S」とは、具体的には以下のような項目である。

1. 整理(せいり、Seiri)
    いらないものを捨てる

2. 整頓(せいとん、Seiton)
    決められた物を決められた場所に置き、いつでも取り出せる状態にしておく

3. 清掃(せいそう、Seisou)
    常に掃除をして、職場を清潔に保つ

4. 清潔(せいけつ、Seiketsu)
    3S(上の整理・整頓・清掃)を維持する

5. 躾(しつけ、Shitsuke)
    決められたルール・手順を正しく守る習慣をつける

 以上のように頭文字の「S」を取った5つの項目である。製造業の経営者のとってこの言葉は基本中の基本であるが、その他の業界ではあまり知られていない言葉だ。しかし、5Sを把握するだけで会社の経営力を知ることができると言われるほど重要なエッセンスが盛り込まれている言葉なのである。

”海外を含めていろいろな会社を訪問させていただきますが、経営数字を見なくても、現場の5Sができているかどうかを見れば、トップの経営力がわかるということなんですよ。言い換えれば、5Sができていないところは経営不在ということになるんですが。”

 ジェムコ日本経営取締役・高橋功吉氏は「日経ビジネスonline」で上のように語っている。それほど5Sは会社を見るうえで大切な言葉なのだ。

5Sは事務作業の現場においても威力を発揮

 5Sを平たく言うと、必要なものが、必要なときに、すぐに取り出せて、すぐに使える状態を、維持しており、誰でもがそれを知っていること。また、そうあることが会社にとって重要であることを理解していることである。 これらの徹底は特に事務作業において効果を発揮する。あの書類、あの図面、あの企画書、あのマニュアル、あの見積書、あの資料…すぐ出てくるだろうか?

 頻繁に書類を扱う経理の方や総務の方は、できている会社が多いようだが、逆に全滅と言っていいほど出来ていないのが営業の方だ。ここでいう営業とは、広義、幅広く捉えて営業系の方という意味。
 皆さんはこんな経験はないだろうか。あの情報、この情報が、机の中、かばんの中、パソコンの中、書類ファイルの中などに分散しており「あぁ、あの書類どこにやったかな…」といったことが1日に何回も確認してしまう。

 これは、工場の人たちからすれば、もっとも初歩的なロスである「探し歩き」のムダだ。探し歩きのムダは、自分自身の時間をロスするばかりではなく、一緒に探す他人の時間まで奪い、2倍にロスしてしまう。

細かい気遣いが日々の生産性を上げる

 それだけに、工場ではもっとも忌み嫌う初歩的なロスとされ、工具・治具・備品などの置き場をしっかりと決めることは、どの工場でも5S活動の初期段階に取り組むことだ。当たり前のように感じるこの取り組みだが、もし5Sが徹底されず、頻繁に物を探し回っている工場のどこが生産性が良いと言えようか。

 このように、日頃“時間が命”と言っている営業系の人が、時間を無頓着に捨てているのは実におかしいのではないか。一見些細な気遣いに思われるが、経営者、管理職も含めて、自分の5Sに取り組めば、間違いなく生産性は大いに上がるのだ。 

5Sを実践するときは誰かと一緒に

 ではこの5Sをどのように実践していけばよいのか。一番簡単で効果的な方法は「だれかと一緒にやること」である。お互いに「きちんと実践しているか?」と声を掛け合い、やってれば自慢したり、やってなければ相手から指摘されることがが、思いの他、励みとなるの。経営者や管理職の方は、部下の前で宣言し、部下と一緒にやるのが一番なのだ。
 このような意識改善を一人で行うとき、たいていの場合自分に甘くなってしまい継続できない。一人で物事を続けていくには並大抵じゃない精神力が必要だ。もし、協力者がいた場合は一人で実践していたときの何倍も容易に継続できるようになるだろう。

 意識改革は一人でやっても意味がない、人の協力があってこそ効果を発揮するのだ。

5Sの本当の目的

 5S活動の真の目的とは、「守ることを決めて、決めたことを守る」風土を作ること。社員はもとより職場のリーダー、経営幹部、経営者が一丸となり、守るべき企業風土・企業文化を醸成してゆくとともに人間本来の生き様の骨格となることが根底にあるのが5S活動なのだ。

 きれいな職場やピカピカの輝く会社にしてゆく5S活動は、手段であり目的ではない。徹底した5S活動の実践を通じて、職場環境が変わる、美しい環境にかわってゆくプロセスの中で人が育ってゆく。品質、安全、顧客サービスを向上させるのに不可欠な「人づくり」の基礎となるのが5S活動なのだ。

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