1. 今注目されている「ソフトスキル」って知っていますか?自分をブランド化するために必要なスキル

今注目されている「ソフトスキル」って知っていますか?自分をブランド化するために必要なスキル

今後10年で重要性が増してくる「ソフトスキル」

 「ソフトスキル」とは、コミュニケーション、語学力、リーダーシップ、ファシリテーションなどのスキルを指す。これまで日本では、ロジカルシンキング、マーケティングなどの「ハードスキル」が注目を浴びてきたが、今後10年は「ソフトスキル」の重要性が増してくる。
 では、これから求められる「ソフトスキル」とは何か?リクルート出身で民間人として初めて東京都の公立中学校校長を務めた藤原和博氏と、ビジネス・ブレークスルー大学(以下BBT大学)経営学部教授でデロイトトーマツコンサルティング ディレクターのキャメル・ヤマモト氏に聞いた。

ソフトスキル」とは - 問題解決、交渉やモチベーションアップなど、非定型な(主に対人 的な)技能のこと。 コミュニケーション、語学力、リーダーシップ、ファシリテーションなど のスキルを指す。 関連記事 IT業...

二人が重要と思うソフトスキルとは何か?

藤原氏:
 これからの時代に必要なソフトスキルを考えたときに、第一に挙げられるのが「情報編集力」だと思う。たとえば、「なぜマクドナルドはハンバーガーとポテトとコーラを一緒に売るのか」ということだ。おそらくハンバーガーだけを売っていたら、マクドナルドはあそこまで成長しなかった。ただ単に3つを足しているよりも、付加価値が増殖している。

 必要なのは掛け算。私の場合、「リクルート×校長」の掛け算をして、両方でマネジメントの力を証明したから、価値が3倍くらいに上がった。実際、リクルートのフェローでもらっていた年収は校長になって3分の1くらいに下がったが、校長を辞めた瞬間に5倍くらいに膨れ上がった。もしリクルートにいたままだったら、おそらく価値は暫減していただろう。

キャメル氏:
 私は「強みを作り、生かしきる」ことだと思う。皆さんも何かの「強み」は持っていると思うが、その「強み」をプレゼンして人を引きつけながら戦っていく、という意識がないと生き残れない。それに、せっかく生まれてきたのに自分のポテンシャルを出せない人生なんてつまらない。自分を出すことによって皆から刺激をもらい、育ててもらうことにもつながる。

藤原氏:
 確かにそれは必要。ただ、自分を出すときにそれが単なる「自己紹介」ではなく、相手に伝わる「プレゼン」にすることが重要。自己紹介は、ただ単に自分の頭にあることを説明すること。いくらやっても、相手の頭の中にその像がきちっと描かれるかどうかわからない。それはパワーポイントでやろうと、どんなツールを使ってやろうと同じだ。

 大事なのは、自己紹介ではなく、プレゼンすること。仮にこの講演が終わってから私に話しかけようとしている人がいたとして、初めに名刺を出すようではアウト。初対面の人に会って、まず目と目を合わせニコっと笑って、その後、相手の記憶に残ることを言えるかどうか――名刺なしで相手の頭の中に自分の像を描かせる訓練を徹底したほうがいい。

努力をすれば「1万人に一人」になれる

藤原氏にとってソフトスキルがある人とはどのような人物か?

藤原氏:
 体的な名前を挙げればきりがないし、スティーブ・ジョブズだと言われても、「それはそうだけど、なれないじゃないですか」という話になってしまうだろう。

 では、どういう人にソフトスキルがあるのかというと、先ほども言った掛け算ができ、付加価値をつけることができる人だ。こういった講演を聞きにきて勉強しようと思う人ならば、すでに会社の中で「100人に1人」の人くらいにはなっていると思う。でも、それだけでは、ただの「100人に1人」で終わってしまう。重要なのは、ほかの異分野でも100人に1人になって、それを掛け合わせることだ。

 たとえば、お笑い芸人になりたい人がいたとする。その人が明石家さんまになることは難しいだろう。彼は100万人に1人の人だから。でも、努力すれば「100人に1人」くらいにはなれる。お笑い芸人ではなくても、この会場にいる全員を笑わせることができる人はザラにいるはずだ。

 同様に原宿のカリスマ美容師になることは難しくても、自分の住む地域で一番の美容師にはなれるかもしれない。その「100人に1人」と「100人に1 人」を掛け合わせて、「お笑い美容師」という職業を自分で作って徹底的に売り込んでいけば、100人×100人で「1万人に1人」になることができるんで す。それが、先ほど、キャメルさんが言った「強み」ということだろう。

重要なのは、努力すれば100人に1人には必ずなれるということだ。何も、ノーベル賞を受賞した山中伸弥教授のような天才になれとは言っていない。100万人に1人は難しいかもしれないけど、「100人に1人」の力を掛け合わせば、「1万人に1人」になれることを覚えておいてほしい。

どのようにすればソフトスキルが身につくのか?

キャメル氏:
 まずは、やりたいことを紙に大きく書くこと。そして、5年、10年経ってそれが実現できたらいいと思うのではなく、今すでに始まっていることだという意識を持つこと。

 とにかく、やりたいことを3ヵ月続けて習慣化してみてほしい。それが続けられなかったら自分に根性がないという可能性も十分にあるが、やりたいことを思い切って変えてみてもいいかもしれない。言い換えれば、きちんと続けられることを見つけるということだ。それを見つけられれば、藤原さんの言う「レア」になれるのではないかと思う。

藤原氏:
 習慣化ってすごく大事ですよね。僕も情報編集力をつけるために、組み合わせてつなげるということを毎日やっていたら、頭の中がそういう構造になっちゃったんですよ。

 本来、コミュニケーションはリスクがある投資。リスクがあることに挑戦しなければ、大きなリターンを得ることは絶対にない。どのように掛け算して付加価値を高めていくか。何も独立しなければできないことではない。今いる会社にい続けたとしても、「組織内自営業者」の意識を持てば、組織を利用してユニークな存在になれると思う。

 名刺は言うなれば最強のブランド。三菱だったり、三井だったりは、会社が多額の投資をして何十万人が作り上げてきたブランドだが、ブランドに守られるほど、自分ブランドが確立できなくなってしまう。名刺なしのプレゼン力を鍛えるには、小・中学校やテニスサークルなど、地域のコミュニティに参加すると、すごく練習になる。そういうところで名刺を出すわけにはいかないから。

 本来、コミュニケーションはリスクがある投資。リスクがあることに挑戦しなければ、大きなリターンを得ることは絶対にない。どのように掛け算して付加価値を高めていくか。何も独立しなければできないことではない。今いる会社にい続けたとしても、「組織内自営業者」の意識を持てば、組織を利用してユニークな存在になれると思う。

講演者情報

藤原和博氏:
 リクルート出身で民間人として初めて東京都の公立中学校校長を務めた。

キャメル・ヤマモト氏:
ビジネス・ブレークスルー大学(以下BBT大学)経営学部教授でデロイトトーマツコンサルティング ディレクター

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