1. 【全文書き起こし】堀江貴文×船曳建夫「金持ちになる方法はあるけれど、金持ちになって君はどうするの?」

【全文書き起こし】堀江貴文×船曳建夫「金持ちになる方法はあるけれど、金持ちになって君はどうするの?」

【要約】

ゲストに、『金持ちになる方法はあるけれど、金持ちになって君はどうするの?』の中でもコラムを寄稿くださっている恩師・船曳建夫東大名誉教授を迎え、堀江貴文と大いに語り合った。

堀江:僕がいない間にスカイツリーとか代官山蔦屋ができてたんですよ。
船曳:本読んでて、よくこんなQにAするなと思ったよ。
堀江:答えるのに、すごく時間かかるやつもありますよ 。
船曳:肩をビシっと叩くような 答えで良いよね。
堀江:答えは全部、僕目線で書いてますよ。

堀江:僕に質問する人は画期的なアイデアが欲しいんだろうなと思う。
船曳:なんかさ、それは怒られたいんじゃないの?
堀江:俺、若くねえなみたいなのは感じる。

船曳:一番新鮮だったのは、死刑に反対だったこと。
堀江:死刑の場合、冤罪だと取り返しがつかない。
船曳:敵ではない国民を国家が殺すということですよね。
堀江:まあどっちにしても死刑をやることによって、犯罪が防止出来るかということはないと思う。
船曳:普通の人間は死刑に対して合理的徹底ではない。

堀江:僕の嫉妬の原体験は幼稚園の頃なんですよ。
船曳:僕らが克服しなきゃいけない自分の中で起きてくる感情の中で、嫉妬って一番大きいよね。
堀江:嫉妬を我慢してプラスの感情に変えていくしかない。 
船曳:「ホリエモン大嫌い」と言ってる人は良い奴なんだよ。
堀江:今は、とにかくやりたい事業がたくさんある。

【本文書き起こし】

堀江:僕がいない間にスカイツリーとか代官山蔦屋ができてたんですよ

堀江貴文氏(以下、堀江):代官山蔦屋さんが僕がいない間にできてて、すごく評判がいいっていう話を聞いてて、是非行きたいなと思ってたんですよ。徳間書店さんにここでサイン会がやりたいと僕から希望して、お願いしたんですよ。ありがとうございます。

船曳建夫氏(以下、船曳):でもどうして蔦屋書店のことを知ってるんだっていうのが、みんなのびっくりで。

堀江:これは元々、増田さん※から聞いてたんですよ。ここに作るっていうのを前から知っていて、どんなのが出来るのかなと思っていたら、僕がいない間にできてたっていう。

(※カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社 代表取締役社長兼CEO 増田宗昭氏)

船曳:いない間にね。

堀江:例えば、表参道ヒルズとかスカイツリーも僕がいない間にできてて。

船曳:長い時間があったね。

堀江:はい、そうです。なので、まだスカイツリーは行けてないですけど、ここは行けてよかったです。

船曳:なるほど。堀江くんは紹介の必要はないので、私だけ自己紹介しますと、去年まで東大で教師をしていまして、堀江くんが学生だった時に僕の遊びのゼミに来てくれていたという関係で、それ以来僕のほうがお世話になってるんですが。時々堀江くんが僕をメンションしてくれるので、あたかも教えたかのごとく思われているけれども、そういう関係ではないんだよね。

堀江:いえ、僕は先生の授業もとってましたからね。文化人類学の授業を。

船曳:あ、あれか!

堀江:なんで船曳先生のことを覚えているかというと、一番最初に僕東大教養学部で文化人類学の講義をとって、一応単位頂いたんですけど、Bかなんかをもらったかと思うんですけど。そのBをもらった講義を聞いてた最初の頃に、ちょうど僕は1991年入学なので、湾岸戦争の次の年で、先生の言った言葉がすごい思い浮かべられて。イラク人の値段とアメリカ人の値段は違うんだというような趣旨のお話をされていて、命の値段は違うんだと。うわ、すげえと思ったんですよね。

船曳:アメリカ人1人死んだら、向こう(イラク人)100人死なないと釣り合いがとれないという意識だよね。

堀江:そういう講義を最初に文化人類学でされて、わりと僕は田舎者の高校生だったのが大学生になったので、結構衝撃を受けて、やっぱ東京の大学は違うなあみたいな。

船曳:なるほど。

堀江:あともう一つは、僕の同級生でルームメイトだった奴から先生の「儀礼と演劇とスポーツゼミ」に誘われて、行ってみたら、ゼミに入るのに試験があるんですよ。その問題もまた面白くて、ちょうどその年に宮沢りえちゃんのヌード写真集が出たんですよ。今だと、政府で提出されると言われている児ポ法の単純所持で処罰されるというのが出来るので、多分アウトだと思うんですよね。篠山紀信さんの事務所とかも完全にアウトだと思うんですけど、もし通ったらあれ全部処分しちゃうんですかね?

船曳:あの人自身、ちょっとアウトなところも。

堀江:まあまあ、そこまではちょっと言えないですけど(笑)。多分、写真は山ほどね。ほら、あの人とかね、キル・ビルに出た女の子。栗山千明ちゃんとか12歳くらいの頃、ヌード写真集とか撮ってましたもんね。ああいう写真集になっていないネガとかも山ほどあると思うんですよ。あれ全部焼却処分するんですかね? それともオフショアに持っていくんですかね?

船曳:その話はあれだよね。それはサンタ・フェについてという問題を出したと。

堀江:そうです。問題は、サンタ・フェについてどう思うかフリーで書けというもので、それも結構衝撃だったんですよね。サンタ・フェについて書くんだ……と(笑)。なにを書くんだと思ったんですけど。しかも先生のゼミは東大中の美人が集まってきてたんですよね。

船曳:あの2~3代はかなり良かったね。

堀江:だから東大ってこんな可愛い子いっぱいいるんだと思って。その後、フジテレビのアナウンサーになった佐々木恭子ちゃんとか電波少年に出てた春野恵子さんとか。

船曳:あれは綺麗だよね。

堀江:結構美人が揃っていて、「うわー、すげえな、船曳先生」という思い出があります。

船曳:本読んでて、よくこんなQにAするなと思ったよ。

船曳:今日はね、僕の話を聞きに来た人はいないので、堀江くんの話をしますと。「金持ちになる方法はあるけれど、金持ちになって君はどうするの?」で一番感心するのが、Q&AでよくこんなQにAするなと。Qのとこ読んでると、段々6行目くらいで僕なんか「うわぁ……」とか思うの。こんなのに答えるのかと思うと、全部答えてるよね。

堀江:でもあれは、それでもまだ上澄みですよ。

船曳:答えたくないのも少しはあるわけ?

堀江:答えたくないっていうのはないんですけど、困るのは、答えるのにすごい時間がかかるやつ。くだらないのは、くだらない答えを返せばいいので、あんまり時間はとられないんですけど。すっごい時間かかるやつもあるんですよ。すっごい考えないといけないのが。

船曳:あー、堀江くんでも?

堀江:わりと考えますね。

船曳:この本読むと即座に答えてるように思うけど。

堀江:いや先日ですね、ステーキけんの井戸ちゃん※って人も「ロードサイドのハイエナ」メールマガジンというのを書いていて、多分読者3000人くらいいるんですけど。彼がたまたま僕のオフィスに遊びに来ていた時に、ちょうど僕がメールマガジンを書いていて、今からご飯を食べに行きたいんだけど、「30分だけ待ってて! メルマガ書くから!」って言ってて、メルマガの「うわ、これ答えるの難しいなー」という質問を井戸ちゃんに聞いてみたら、「サッシの会社を経営していて、受注が伸び悩んでいるので、今までのスキルとかお客さんを引き継いだ新しいビジネスモデルを教えて欲しい」っていう超答えづらい質問がきてて。

窓枠のサッシを清掃してる会社を経営してるのかな? そういうの一番難しいんですよ。生き方に悩んでますとか夢が持てませんとか、そういうのは逆に簡単なんですよ。

(※ステーキハンバーグ&サラダバーけんを運営する株式会社エムグラントフードサービス 代表取締役社長 井戸実氏)

船曳:あー、なるほど。

堀江:頭のなかに、今までの回答の引き出しデータベースがありますから、そこからぽっぽっぽと持ってくればすぐ出来るんですけど、そういう新しいのは結構困りますね。

船曳:通常の業務やってる会社の打開策みたいな?

堀江:そうなんですよ。それに対して、僕はわりと真剣回答していて、悩んで悩んで悩んだ答えが「知るかボケ!」になることがたまにあって、それは井戸ちゃん的に言うと僕が一瞬で「知るかボケ!」って書いてると思ってたらしいんですけど、そんなことはないよと。15分とか20分くらいは少なくとも悩んで、書けなくなって……まあ基本回答は「知るかボケ!」なんですけど、なんか回答してあげなくちゃと思って、頑張って頑張って頑張って、「知るかボケ!」になっちゃったと。

船曳:でもその回答はその回答でいいよね。時々坐禅してて、肩にビシっと叩くような。

堀江:だからあれは、くだらない質問の中での選りすぐりなんですよ。くだらない禅問答のやつとか、コントみたいな掛け合いとか含めて。まあ実はこの本の編集チームというのは、「君がオヤジになる前に」っていうのがあって、スマッシュヒットというか10万部近く売れたんですけど。僕、全然売れないと思ってたんですよ、これ。多分、せいぜい売れて初版で終わりだろうと。もう重版ないなと僕は勝手に思ってたんですけど、すごい売れました。

堀江:僕目線で答えは書いてますよ

船曳:それタイトルが超いいじゃない。でも後で考えるといいだよね。売れてからよかったんと思うんだよね。売れないとすごいくだらないタイトルだったなということでね、わかんないよね。

堀江:表紙は、福本伸行先生に描いて頂いたんですけど。

船曳:カイジだね。

堀江:巻末に対談があるんですけど、実はこの時に初めてお会いして、なかなか面白くて、その後意気投合して、タイに一緒にゴルフ行ったりとかしてるんですけど。

船曳:その後、刑務所に訪ねてきてくれてもいるよね。

堀江:そうですね。

船曳:ちゃんと行動をフォローしてるでしょ?(笑)

堀江:ありがとうございます(笑)。確かにこの本のタイトルは、Q&Aで回答したフレーズなんですよ。「金持ちになる方法はあるけれど、金持ちになって君はどうするの?」という、これをタイトルに選ぶセンスと、僕をどういう風に思ってるかを夏野剛さんとか西村博之とか藤沢数希さんとか先生にお願いして、人選したのも彼らのチームで。やはり本というのは編集力なのかなと思いました。だから、実は私はまえがきとあとがきくらいしか書いてないんですよ。

船曳:大変バランスのあるお答えで(笑)。でもその答え書いてる時に、その人の気持ちで書いてるの?それとも純粋に質問を合理的に答えたらどういう風に答えられるのかなとおもって書いてるの? あんまりその人のことを考えてるわけじゃなくて、純粋にその問いにはどんな答えがあるのだろうと書いてるように思ったの。

堀江:まあ僕目線ですね。私の目線で書いてます。

船曳:だから一つ一つの問題にそれぞれ考えようと思ったら考えられるということが、この著書にはあるんだなというのが私の感想。

堀江:最近、私目線の回答を予測してくる人がいて、「こういうのはナシでお願いします」と予め僕の回答を…「この回答は嫌だ」と。

船曳:「それだったら俺だって思いつくから、違うこと言って欲しいんだ」と。

堀江:僕に質問する人は画期的なアイデアが欲しいんだろうなと思う。

堀江:いや、彼らは自分のやり方があるんじゃないですか? よくあるのは、「田舎のロードサイドの土地を500平米とか1000平米持っています。なにか活用方法はありませんか?」とか「親から山林を○○ヘクタール相続したんですけど、なにか活用方法ありませんか?」とかそういうのが多いんですけど。そういうのは、売るのがいいと思うんですよね。売れなかったら放棄するくらいの、国に寄付するくらいの勢いがいいと思うんですけど。

みんななにかに使いたいと思って、例えば観光地の近くだったら秘宝館みたいなの作って……とか蝋人形館とかガラス細工館とかそういうのを作って、お金かけて投資してやるんだけど、5年ももたず閉館になって借金だけが残るパターンがほとんどだと思うんですよ。

船曳:道路の脇そういうのがあるね。累々とね。

堀江:僕に質問してくる人達は、なんか画期的なアイデアが欲しいんだろうなと思うんだけど。

船曳:秘宝館は嫌ですよと。

堀江:「秘宝館は失敗するかもしれないけど、堀江さんだったらここになにかを作って、なにか儲けさせてくれるんじゃないか」とか思ってんだけど、はっきり言ってそんなとこでやるよりも東京にどっかのビルを借りて、そこでカレー屋さんでもやったほうが。

あるいは、今、遊休地とか利用した新しい屋台村みたいなのがあるんですよね。おしゃれな感じの車を改造して、お昼のお弁当とかカレーが出たりとか、そういうお店が丸の内のオフィス街にも青山とかでもあるし、昔だったら駐車場になっちゃうようなところがそういうところになっちゃったりしてるじゃないですか。ああいうので僕はいいと思うんですよね。ああいうのをやったほうがむしろいいのかなと。

船曳:100ヘクタールの山林を売っちゃって?

堀江:売るなり、まあ売れないと思うので、僕は寄付したほうがいいと思うんですけど。

船曳:偉い。そこはすごいな。そういう答えは嫌だよって言ってくるの?

堀江:それに関しては、最近多い質問で、最近そういう風に返し始めたので、まだそういう返しは来ていないですけどそのうち来るかなと思ってるんですけど。どう考えても、そこでやるよりも都心の遊休地の権利だけ借りて、車一台カレー屋仕様に改造して、アイデアを出してカレー屋さんでもやったほうが絶対いいんですよ。絶対成功する確率は高いんですよ。なのにも関わらず、先祖代々の土地だとか言って、そこに縛り付いてやるから……まあそれは私の目線で言うと、僕は僕なりに考えてそういう答えを出していて。

船曳:なんかさ、それは怒られたいんじゃないの?

堀江:そういうのはあるかもしれないですね。猪木さんにビンタされるとか、そんな感じのことかもしれないです。

船曳:かつては、20代後半とか30代前半でやってた時は、まあ24、5の子も同世代だと思って聞いてたけど、最近は一世代二世代上の人だと思って、お兄さんに怒られたいとか書いてくる人はそういう気分なんじゃない?

堀江:あーなんかそういう意味では断絶を感じますよね。断絶っていうのじゃないか。俺、若くねえなみたいな。

船曳:昔は、なにやってても若くて、どこ出掛けても一番若造みたいな。なのにバリバリやってるから、その部分どう思われるのかなって思ってたら。

堀江:今だと一ヶ月くらい前に、朝まで生テレビ!っていう番組に出させて頂いた時には、なんと田原総一朗さんの次に最年長だったのは私だったという。

船曳:そう! 見てたけど。

堀江:意外とすごいなこれって。

船曳:一日忙しくて、ヨレヨレで出掛けてったんだけど、一番喋ったっていう番組ね。

堀江:そうですね。でも私、初めて船曳先生にお会いした時は、船曳先生は40代前半だったと思うんですけど。

船曳:同じくらいですかね。

堀江:だと思うんですけど、全然自分の中でそういう実感がないです。そこまで来ちゃったという。あの時の船曳先生のような貫禄は出てないなと。先生っぽい感じですかね。あの頃、まだ助教授でいらっしゃったと思うんですけど。

船曳:助教授くらいが人間はいいよね。

堀江:そうですか(笑)

船曳:やっぱり「助」というのが取れた途端に古臭くなるよね。

堀江:ああ、そうなんですね。

堀江:「本人」ってタスキを付けて出れば公職選挙法に違反しないですよ

船曳:話は全然変わるけど、この本を読んで一番新鮮だったのは、かなり変わった話題だけど、死刑反対なんだね? この話題、話したことなかったなーと思って。

堀江:そうですねえ。

船曳:僕も長い間そうでさ。その点については我が家は夫婦内で違ってて、なかなか妻を説得できないんだけど。

堀江:あーそうなんですか。あれですよね。奥さん、今度参議院選に出られるんですよね?

船曳:突然そういうことが始まっちゃってね。どうなるんだろうという感じで。

堀江:あれ、パンフレットとか持ってきてないんですか?

船曳:持ってきてますけど、ここでやるのはどうなんだろう。公職選挙法に…。

堀江:いやまだ選挙期間中じゃないですよ

船曳:期間中じゃない時は……、それこそ選挙に出たからご存知だろうけど、なにか3つを言っちゃいけないんだよね。

堀江:はい。投票してくださいとか、そういうのはダメなはず。

船曳:「Aさんが何とか選挙に出ますので、投票してください」はだめなんだよね?

堀江:それはだめですね。あとタスキとかだめです。「本人」とかいうのは大丈夫ですけどね(笑)。選挙が公示される前は、「本人」というタスキ付けて、皆さん出られてますよ。多分、そういうのやることになると思いますよ。

船曳:「本人の夫」ってやつ?(笑)

堀江:本人の夫とかそういうのは全然自由ですから。あとは選挙ポスターとかでも、○○代議士討論会とか討論会の挨拶のポスターなら貼ってもいいはずです。選挙期間の前でも。

船曳:いや、なんか毎日が新鮮。色んな不思議なことがあって。

堀江:死刑の場合、冤罪だと取り返しがつかない

堀江:僕が死刑反対の意思を明確に話すようになったのは、やっぱり冤罪というのがある一定確率で起こりうるというのがよく分かったので。

船曳:冤罪が起きるとなぜいけない?

堀江:死刑の場合は、取り返しがつかないから。死刑の場合だけはね。

船曳:そうですね。そしてまた、殺す主体は国家だよね。

堀江:要はあれは国家が殺人をしているわけで。あれは因果応報以外の理由はないはずですけどね。

船曳:敵ではない国民を国家が殺すということですよね。

堀江:僕、服役してみて思ったんですけど、死刑になるよりも死刑囚であれば死刑になる前のプロセスが一番嫌だと思うし、もっと凄いのはずっと釈放されないのが辛いと思うんですよね。

船曳:僕とか、それで十分だと思うし、団藤重光っていう有名な東大の法学者がいて、戦後の刑法を作った人なんだけど、ちょうど東大闘争があったので、なぜか学長になれなかった。その本当に立派な人が死刑廃止論なの。国家が冤罪を認めて、国家が国民を殺すことになると。だからそれは今まででも確実に起きているわけだから、それは国家の存立を脅かすことになるという。

堀江:まあどっちにしても死刑をやることによって、犯罪が防止出来るかというとそんなことはないと思って。

船曳:それはもちろん服役前から思ってるんだよね?

堀江:はい。それもあるし、やっぱり僕は許して更生させることが必要だと思いますね。

船曳:それを読んだ時、僕は堀江くんのことを知っているけども、ちょっと意外感があって、意外感を持った自分を恥じる感じで。

堀江:そうですか……(笑)。

船曳:普通の人間は死刑に対して合理的徹底ではない

船曳:つまり、それはやっぱり「身内が殺された人の気持ちになったらあれでしょ?」とかいう人がいるじゃない? そしたら大抵嫌な質問するよね。「あなたの身内が殺されても死刑は賛成しますか?」と。当たり前じゃないね。そこの合理的徹底って普通の人間にはないんだよね。

堀江:それはよく妬みの構造とかにも繋がるところだと思うんですけどね。私も色んな人達に羨ましいなと思うことはあるんですけども、それによって足を引っ張ってやろうとかはネガティブな感情になることはない、でも、多くの人達はそれがあるらしいと。

船曳:その話をすると面白いかもね。死刑に関してはここにいる方も色んな意見があると思うので、二人して死刑制度廃止と言ってもしょうがないので、むしろその妬みの感情というのを堀江くんの盟友であるN君がしきりにそれを言うわけ。堀江くんの親友なの、あれは?

堀江:まあそうですね。長いですね。元ルームメイトですね。

船曳:それで彼が飯を作って、君が食べてたんだよね。

堀江:いや、そういうわけでもないですよ(笑)。

船曳:それで君が片づけなかったんで、ついに二人は破滅して……。

堀江:それは関係ないです(笑)。僕もたまには作りますよ。

船曳:たまには作る(笑)。でも六本木のマンションに行くと、「堀江のところに行くと、嬉しいんですよ。どんな食材を使ってもいいよと言うんですから」ってバンバン作って、君が食べてた。そのN君が「堀江の一番不思議なとこは、あんな目に遭っても誰々を恨むとかそういう言葉が一切ない」と。それは本当に不思議だと言ってましたね。

堀江:僕の嫉妬の原体験は幼稚園の頃なんですよ

堀江:それもよく著書に書いているんですけど、自分が恨みの感情を持つと自分もマイナスの負のオーラのほうに沈んでいくので、気持ちはどんどん悪くなっていくんですよ。恨みの構造って。だけど自分がポジティブになると、どんどん自分はポジティブな方向になっていくので。例えば、すごい羨ましい人がいたと。物凄い女の子にモテる人がいて、それになりたいと思うわけですよ。そいつの下半身スキャンダルを暴露して、あいつ貶めてやろうとかは絶対思わないんですよね。

船曳:でもさ、そういうのは偉いお坊さんとか言うじゃない。「君、人のことを妬んだりしたら、君の魂自体が汚れて、君自体が救われないよ」とか立派なお坊さんは言うかもしれないけど、それを聞いて思ったんじゃなくて、小さい時からそう思ってたわけじゃない? でも八女市に生まれて、あまりモテない少年だった堀江くんが、なぜ人を妬まずに、それを作ったのは努力なの? 生まれつきそうなの? そこかなりポイントじゃない?

堀江:僕の嫉妬の構造の原体験は、(福岡県)八女市の福島幼稚園というとこに通っていて、仏教系の幼稚園で、そこに飯沼(仮名)くんという人がいて、金持ちだったんですね。八女市で一番大きなホテルを経営している会社で、八女市で一番高いビルみたいなとこの御曹司なんですよ、飯沼くんは。お金持ちで、彼は必ずお遊戯会で主役になるんですよ。そこでなんでなんだろうなって思ったんですよ。僕ん家はただのサラリーマン家庭なので、だいたい兵士Aの役とかなんですよ。あとは僕が一番可愛いと思っていた北海道から転校してきた女の子は、カエルの役だったんですよ。

船曳:カエルか……。

堀江:お姫様は地元の医者の娘で、非常に申し訳ないけど、まあ正直可愛くなくて。今でも覚えてますよ。そこでそういう構造を目にして、羨ましいなとかは思うんだけど、結局思ったのが彼とはそこまで仲良くならなかったですけど、ちょっと仲良くなってサークルに入ると、どちらかというと自分もわりといい思いができたりとかして。その後も小学校に入っても、地元の医者の息子がすごい権力を持っていて、彼も仲良くなったらおうちに招待してくれて、美人のお母さんが料理を作ってくれたりとかして。

船曳:3時のおやつが出てきたりしてね。

堀江:僕がやっていた小劇団とかにも美人のお母さんがお花持ってきてくれたりとかして、「うわ、嬉しいなー」とか思ったりもしたので。だから彼らを妬まずに近づいていって、自分が持っているスキルを彼に与えてあげることによって、ギブアンドテイクができるんですよね。僕はすごい勉強ができたので、それを彼に……。

船曳:さらっと言うね(笑)。

堀江:いや小学校の時は、おかしいくらいデキたんですよ。でも彼はあんまり勉強がデキなくて、一緒に塾に通ったりだとか、仲良くなったんですけど。そうやって自分のスキルを彼に与えることによって、ギブアンドテイクができて、彼らと仲間になって、結果として自分も成長していって、それによって今まで羨ましいと思っていた感情は消える。もし、そこで彼の足を引っ張ったってそういう感情は絶対に出てこないですし。

堀江:嫉妬を我慢してプラスの感情に変えていくしかない

船曳:僕らが克服しなきゃいけない自分の中で起きてくる感情の中で、嫉妬って一番大きいよね。

堀江:いいんです。羨ましいというのは絶対プラスで、僕のエネルギーとかまさにそうですから。やっぱり船曳先生のゼミに入った時も可愛い子がいて、こういう子達にモテるってすごいなとか思ってたんですけど、今はそうは思わないですけど。それってそこでこういう人達になりたいって思って、一生懸命努力した結果じゃないですか。

船曳:例えば誰のことを言ってるの?

堀江:あ、私のことです。

船曳:モテる人は?

堀江:モテてたのは先生が一番モテてたんですけど。

船曳:あ、その例なのね(笑)。

堀江:そうです、そうです。ものスゴいモテてたわけですよ。

船曳:でもどこが分かれ目なんだろう? 嫉妬にこだわるけど、あれは本当にエネルギーを損なうし、運もやってこないし、でも辛い時あるよね。どうしても妬んじゃうみたいなね。

堀江:そこは我慢をして自分のプラスの感情に変えていくしかないですよ。

船曳:じゃあQを言うと。私は時々自分より優れたり、モテたりする人間を見ると妬みが湧いてきて、そのことがふつふつと私の心を蝕みます。どうしたらいいでしょう?

堀江:ほら、時間かかる質問出ましたよ(笑)。

船曳:でも今までずっと答えてきたわけだよね。それは細かく自分を変えていくのかな? ある時、突然悟りがくるようなことではないのかな。

堀江:私はわりと最初からそうだったということですね。ただ経験上、まったくそういうのがなかったかというと、たまに暴れて喧嘩をしたりとかしたんですけど、その後仲良くなって、やっぱりその人と仲良くなる、その人を越えてやろうと努力するのが、私の経験から言うとからにプラスになりますよということじゃないですかね。

船曳:経験値だよね。

堀江:経験値ですね。だから子供の頃、足の速かった子ってモテるじゃないですか。僕、彼とはすごい仲良かったんですけど、ある日ちょっと疎ましく思えて「なんでこいつはこんなに足が速いんだろう」みたいな。僕は足が遅かったんで、そう思ってたのが一時期噴出したことがあって喧嘩になったんですよね。その後和解して、また仲良くなったんですけど、そういう経験の積み重ねでやっぱり足を引っ張らないほうが自分は良くなりますね。

船曳:「ホリエモン大嫌い」と言ってる人は良い奴なんだよ

船曳:じゃあ逆の質問。私は、とってもハンサムでモテて、金もあって、よく妬まれるので困るんですが、どうすればいいでしょう?ある時期から、堀江君自身が人に羨ましがられる存在になったわけじゃない? 沢山、君のことを嫉妬する人間が現れてさ。

堀江:それはもう結果としてどういうことかっていうと、検察庁にさえ睨まれなければOKです(笑)。

船曳:検察についての研究、いっぱいしてたもんね。

堀江:僕は結局、さっきも雑誌のインタビューで「自分を好きでいてくれる人達だけを見てますよね」って対談相手から言われたんです。「都合のいいところだけを見てるよね、君は」みたいな。まあ確かにそうかなと思っていて、ただ事実上、生活をしていて自分のことを嫌いな人が寄ってきて「お前が嫌いだ!」とかは滅多にないんですよ。

前、一回だけ渋谷ののんべえ横丁ってところで焼き鳥食ってたら、サラリーマンが通りかかって「お前のことが大嫌いなんだー!」とか言われて、「うわー、こういう人いるんだ……」とか思って、でも焼き鳥食い終わった後にまたその人にふらっと「さっきはごめんな」って。だからそんなに悪い人はいないと思うんですよ。だから僕を嫌いな度合いが10%の人もいれば、20%も人もいて、たまに100%の人もいて、その人が検察庁にいるとまずいなってことだけは。だから少しでも僕のことを、検察庁の人は好きでいて欲しい。

(会場笑い)

船曳:それはすごい教訓だったね、今日の。

堀江:それはなんでかっていうと、検察庁は独任官庁といって一人ひとりが検察庁なんですよ。一人ひとりの検事さんが検察庁の機能を持っているので。一応特捜部なら特捜部長がいて、次席検事がいて、検事長がいて、検事総長がいてとか、決裁ルートはあるんだけど、そこで指揮権を発動できるのは検事総長だけで。検事総長は止めろといって捜査を止めることは出来るんだけど、一人が「いや、そんな政治圧力には負けねえぞ。クビ覚悟で起訴する!」って言われたら。

基本的には一人ひとりの判断で捜査をして、捕まえて起訴して、裁判所に送れるので、それがすごい恐い。その人が「堀江は100%ダークで、あいつのことは大嫌いだ!」って思ってたら、まあこうなっちゃうわけですね。

船曳:あのことは蒸し返さないけど、そういう構図だったと。

堀江:だから嫌われることは一般の方だったら、せいぜいAmazonの書評で「あいつの本は大嫌いだ」と。まあこれも書かれてますよ。星一つの人の書評見ると、「うわー、なんだこの人」と思いますよ。そもそもAmazonは買ってなくても書評が書けて、ヘイトスピーチみたいなものを平気で載せるじゃないんですか。Amazonのソーシャルデータベースはかなり傷んでると思っていて、多分そうじゃない褒める書評サイトがこれから伸びてきて、Amazonはそこに外注して、Amazonはロジスティクスとデータセンターに特化する会社になるべく動いてるんじゃないかと。

船曳:なんかそういうビジネス一つ書いてるよね、書評の本屋大賞じゃないけど。

堀江:だから書評の世界でもそうですけど、そこで著者を貶めるようなことを書いて、星一つとか書いて得られるものはあんまりないのかなと。そういうパブリックにね。

船曳:あとは嫌いだといっても、目の前に現れて「ホリエモン大嫌いなんだ」っていうのはまだいいよね。つまり自分の顔を晒して、リスク冒してるから。

堀江:まあこれまで一人だけですけど。

船曳:昔、無名だった三島由紀夫が有名だった太宰治のところに行って「あなたのことは嫌いなんです」と言った有名な事件があってさ。そしたら太宰治がふっと肩を反らしながら、「でもこうして来ているんだから好きなんだろう?」と言ったっていう。

堀江:かっこいいですね。

船曳:でもどう考えても、三島は太宰のことが好きなんだよ。ああは書けない、あんなに自由に書けないというのが三島の文学としてのコンプレックスだった。太宰みたいに小説にならないことを書いて小説になる人と、小説を一生懸命書こうとして小説にしてる三島との差が。

堀江:なんかあれですね、代官山蔦屋書店的な話に落ち着きましたね。文学の匂いがしてきました。

船曳:だから堀江くんのとこ来て、「ホリエモン大嫌いなんだ」っていう人は良い奴なんだよ。

堀江:そうですね。本当に良かったです。

船曳:そんでもって一つ星でこの本の悪口を書く影のヘイトなんとかは嫉妬だからね。

堀江:今は、とにかくやりたい事業がたくさんある

堀江:いや、本当にありがとうございました。わざわざトークイベントまで来て頂いて。

船曳:ということなんですが、今日最後の一言。これからのホリエモンはどうなるんですか?

堀江:私は、これからやりたい事業が山ほどあって、それを順繰りにやっていってる最中です。

船曳:元気いっぱいだという。

堀江:元気いっぱいで頭が回らなくなりつつありますけど。昨日もわりと寝たほうなんですけど、もうさっき移動中の車でふっと記憶がなくなるくらいに。ちょっと頭使いすぎですね。

船曳:ちょっと……少しふっくらしたような……。

堀江:そうですか? そんなに変わってないですよ。先生、今日は体重の話はしないって言ってたじゃないですか(笑)。

船曳:ああ、そうか(笑)。今ちょうどいいくらいだと思って。僕、太ってる君のこと嫌いじゃないから。痩せて出てきたのもかっこよかったけど。どっちでもいいよ。

堀江:ありがとうございます。頑張ります。

船曳:はい、頑張ってください。では、そういうことで。

堀江:ありがとうございました。

巷ではホリエモンとか堀江なんて呼ばれています。経済情報から芸能界の裏話まで ブログに書きたいことは山ほどあるんだけど、タダで公開するのはもったいない、 とっておきの情報を書いていこうと思っています。私...

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