多くのビジネスパーソンは、社内外に関わらず、プレゼンテーションをする機会があるだろう。新たな企画や提案を通すためには、プレゼンテーションを成功させなくてはならない。
仕事で成功する人はプレゼンテーションのスキルが高い。そんな人達のプレゼンテーションには、共通点がある。今回は、成功するプレゼンテーションのための資料作成と発表時の話し方のコツを紹介する。
成功するプレゼンテーション:スライド作成7つのコツ
プレゼンテーションのスライド作成において、最も大切なのは「シンプルさ」だ。情報を取捨選択し、伝えたいことが確実に伝わるスライドを作成することが、プレゼンテーション成功への近道となる。シンプルでわかりやすいスライドを作成をするために、7つのコツを押さえよう。
プレゼンのスライド作り:7つのコツ
- 文字サイズは28~30ポイントで
- 背景は白色で
- スライドに使う色は同系色で
- イメージ画像を効果的に使う
- 起承転結のあるストーリーの組み立て
- アニメーションは最低限
- スライドには重要かつインパクトのあるフレーズを
資料の7つのコツ①:文字サイズは28〜30ポイントで
プレゼンテーションで使用するスライドの文字サイズは、最低でも20ポイント、できれば28~30ポイントに設定するのが望ましい。
12ポイントや16ポイントでは、小さすぎて遠くの人からは見えづらい。場合によっては、自分以外にスライドの情報が見えない可能性もある。
また、小さい文字サイズを選択してしまうと、1つのスライドに多くの情報を入れなければならなくなるので、わかりやすいスライドからもかけ離れたものになってしまう。
資料の7つのコツ②:背景は白
背景色は白に設定しよう。黒背景に白の文字でも文字を目立たせることはできる。しかし、背景の黒の方が文字の白よりも色としてのインパクトが強いため、見やすいスライドとはいえない。
色も視覚的情報だ。無駄な情報を削ぎ落とした洗練されたプレゼンテーションを行うためには、色も削ぎ落として白色を使おう。
資料の7つのコツ③:スライドに使う色は同系色で
スライドは同系色で統一して作成しよう。色がバラバラよりも、ある程度統一された色合いのスライドの方が、見ている側の頭に入りやすい。
また、同系色の濃淡で色分けをすると、白黒コピー時にもわかりやすくてよい。
資料の7つのコツ④:イメージ画像を効果的に使う
プレゼンテーションでは、データのグラフなど、視覚的にわかりやすいものを使用することが基本だ。グラフや図を作成する手間を惜しんではいけない。スライドにイメージ画像を載せて視覚情報を使えば、聴衆にプレゼンテーションの印象を強く残せる。
資料の7つのコツ⑤:起承転結のあるストーリーの組み立て
スライドの構成は、起承転結を意識した構成にすること。プレゼンテーションの成功は自分の主張を聞き手に納得させることにかかっている。
プレゼンテーションの導入である「起」の部分では、「なんで?」と思わせる問題提起と結論の情報を与えて、聴衆の心をつかもう。「承」の部分では問題提起をする理由を書き、「転」の部分では具体例を加えて理由の肉付けをする。「結」の部分でプレゼンテーションの最も重要な結論をもってこよう。
プレゼンテーションを聞いた聴衆が最後に、「なるほど!」という感情を抱いたら、プレゼンテーション成功だ。スライドは論理的に構成しよう。
プレゼンテーションのテクニックとして「PREP法」というものがある。P(Point・結論)R(Reason・理由)E(Example・具体例)P(Point・再度結論)でスライドを構成するというテクニックだ。結論で理由と具体例を挟むことで、より説得力のあるスライドが完成する。
資料の7つのコツ⑥:アニメーションは最低限
アニメーションは極力使用しないほうがいい。使用するのであれば、強調したい部分に「拡大・縮小」のみを使うとよい。
アニメーションに頼ったスライドでは、プリントアウトしたときに資料として機能しなくなってしまう。また、アニメーションを多く使用すると、スライド操作に気を遣いすぎてしまう。スライドに気を取られると、肝心のトーク内容がおろそかになる可能性がある。
資料の7つのコツ⑦:スライドには重要かつインパクトのあるフレーズを
スライドには必要最低限の情報のみを入れる。インパクトが強いフレーズだとなおよい。長い文章をスライドに入れると、くどく見づらい。基本的に、説明などは口頭で話そう。
細かい数字などをスライドに載せようとすると、見づらいスライドになってしまう。重要なグラフや表以外の数値資料は別資料で配布するといいだろう。
スライドは「読ませる」ものではなく、「見せる」ものだということを意識してほしい。また、プレゼンターはスライドを読むだけのプレゼンテーションをしないように気をつけよう。スライドは台本ではない。トークで聴衆を魅了するための補足資料ということは忘れてはならない。
成功するプレゼンテーション:話し方の7つのコツ
せっかくシンプルでわかりやすいスライドが作成できても、発表時に上手な話し方で場の雰囲気を作れなければ、プレゼンテーションは到底成功しない。ここでは、聞き手の興味を惹くような上手な話し方の7つのコツを紹介する。
この7つのコツは、英語でのプレゼンテーションでも応用できるので、英語でのプレゼンテーションを控えているという人も押さえておいて損はないだろう。
プレゼン:話し方の7つのコツ
- 自信を持って話す
- 表情とボディランゲージは豊かに
- 声のトーンを意識する
- 問いかけを挟む
- 重要なところを繰り返す
- 「えーと」や「あのー」はNG
- 批判しない
話し方の7つのコツ①:自信を持って話す
プレゼンテーションの基本は自信を持って話すこと。手元の資料を見ながら、下を向いて話すと、聞き手の反応を確認できない。聞き手を見て、聞き手を説得するイメージで堂々とプレゼンテーションをしよう。
しかし、自分の意見を一方的に押し付けるような、傲慢さを出してはいけない。謙虚さもプレゼンテーションには必要な要素である。もちろん謙遜のしすぎも印象がよくないので、「人前で話すことは苦手ですが……」などとネガティブなことは発言してはいけない。謙虚に聞き手のことを考え、胸を張って堂々と話そう。
話し方の7つのコツ②:表情とボディランゲージは豊かに
緊張のあまり表情や体が固くなってしまっては、プレゼンテーションは成功しない。表情は豊かに、ボディランゲージは大きくしよう。聴覚情報に視覚情報が加わることで、聞き手はプレゼンターにくぎ付けになる。飽きさせないプレゼンテーションをするには体を大きく使おう。
話し方の7つのコツ③:声のトーンを意識する
話す内容に合わせて声のトーンを上げ下げすると、プレゼンテーションに臨場感が生まれ、聞き手を引き込むことができる。
プレゼンテーションの始めは、お互い緊張しているので、声のトーンは普通に相手をリラックスさせるイメージで話す。緊張がほぐれてきたら、声のトーンをだんだん上げて高揚感をだすとよい。低いトーンの声は緊張感があり、説得力が増すので、真剣に伝えたいところで使い分けるといいだろう。
しかし、声のトーンを使い分けるテクニックはやりすぎると、逆に悪い印象を与えてしまう。本当に強調したい部分で声のトーンを意識しよう。
話し方の7つのコツ④:問いかけを挟む
聞き手を飽きさせないプレゼンテーションのコツとして、「聞き手への問いかけ」を適度に挟むというものがある。聞き手は問いかけられたことで「何だろう?」と関心を持つのだ。
しかし、プレゼンテーション中に問いかけを挟むときに、答えを求めてはいけない。聞き手が発表者の問いかけに対して、想定外の返事をしたり、言葉に詰まってしまったりすると、プレゼンテーションの流れが止まってしまう。
問いかけを挟む場合は、答えを求めず、聞き手を考えさせるような問いかけをしよう。
話し方の7つのコツ⑤:重要なところを繰り返す
重要なところは繰り返して伝えよう。このとき、ただ2回同じことを言うのではなく、「大切なところなのでもう一度言いますが、」などと前置きすることで、聞き手の興味を惹くことができる。
「ここだけは必ず伝えたい」という熱意が伝われば、聞き手も真剣にあなたの話を聞いてくれるだろう。
話し方の7つのコツ⑥:「えーと」や「あのー」はNG
話の区切れや、冒頭で「えーと」や「あのー」などと言葉に詰まってしまう人も多いだろう。緊張していたり、練習不足だとつい口に出してしまいがちな表現であるが、聞き手の印象はよくない。無理に言葉を繋げようとせず、頭の中を整理してから話すこと。練習不足なのであれば、練習を重ね、「えーと」や「あのー」を減らす努力をしよう。
英語でのプレゼンテーションの場合も、「Well」などと発言せずに、言葉に詰まってしまったら一度考え直すことが大切だ。
話し方の7つのコツ⑦:批判ではなく比較をしよう
どんな場合でも、プレゼンテーションで他の商品などの批判を交えてはいけない。確かに、仮想敵を作り、自分の話に共感してもらい、聴衆を引き込むことは重要だ。しかし他者を批判して、自分の価値をあげようとしても、聴衆からの共感は得られない。
自社の商品なり、自分の企画のよいところを強調するためには、他の商品などとの比較をすればいい。「自分の商品はほかの商品と比べてこんなにすごいんだ」と比較することと、「あの商品はとても使いづらくて買わないほうがいいです」とただ批判することでは聴衆に与える印象が大きく変わる。
デキるビジネスパーソンは比較をするプレゼンで聴衆の注目を集めよう。
録画や動画を活用するのも上達のコツ
自分の弱点は、どうしても自分ではわかりづらい。自分の弱点を見つけるコツとして、発表前に自分のプレゼンテーションを録画する方法と、TEDのプレゼンテーションや著名人の演説動画を見て、イメージトレーニングをする方法がある。
プレゼンテーションを録画し客観的に見直そう
自分のプレゼンテーションを録画し、自分のプレゼンテーションを客観的にみることで、スライド内容や話し方の弱点を見つけることができる。
さらに、他人に意見を求めることで、自分では気づけない弱点を指摘してくれるため、自分のプレゼンテーション能力の向上につながる。
名プレゼンテーションや名演説を見よう
エイミー・カディ氏のTED「ボディランゲージが人を作る」は起承転結のストーリー、聴衆への問いかけ、効果的な画像使用、そしてもちろんボディランゲージなど、プレゼンテーションに必要なテクニックを余すことなく盛り込んでいる。ぜひ参考にしてほしい。
オバマ前アメリカ大統領の「退任演説」は、謙虚かつ堂々としていて素晴らしい。プレゼンテーションをする機会が多い人は、ぜひ参考にしてほしい。
プレゼンテーションの内容によっては、自分や会社の命運を分ける可能性もある。そこでプレゼンテーションを成功させるためには、必ず今回紹介した資料作成、話し方の合計14のコツを押さえておこう。
「できてないな」と感じる項目があれば、練習あるのみだ。完璧な資料作成と、聞き手の興味を惹く話し方で最高のプレゼンテーションを目指そう。
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「何度やっても、プレゼンは緊張する」「実は人前に出るのが苦手」そんな悩みを抱える人は多いだろう。
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